Next To You【長谷川慎】2

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樹「…俺もそろそろ部活行こうかな、」



「あ、…藤原くん、ちょっと伝言頼んでいい？」



樹「…俺？」



「うん、ごめん…」



樹「何？」



「……ほ、…」







北人の名前が言えなかった。



喉がつっかえたような感覚で…どうしても言えなかった。





ほ、で止まってしまった私を見て慎くんも藤原くんも心配そうな顔をしていた。







樹「…話せそうにないならメモでもいいよ？」



「いや、…大丈夫」



樹「大丈夫そうには見えないけど」



「……ちょっと耳貸して」



樹「あ、うん」







小さい声なら言えるかと思って藤原くんにそう言うと、顔の手前に耳を近付けてくれた。







「…ほ、くと…に、」



樹「うん」



「明日にしてって伝えてほしい」



樹「…主語ないけどそれで伝わる？」



「多分…」



樹「分かった、伝えとく…じゃあ、お大事に」



「ありがと」







藤原くんにしか聞こえないような声の大きさだったから慎くんが頭に？を浮かべているような気がした。



そんな慎くんを見て少し微笑んだ後、藤原くんは去っていった。





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