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「アナタはまだ帰らなくていいんですか？」
「俺はまだ時間あるから、店長さんを観察してみようかなーと思って。」
「大して面白くないでしょうに。」
「さっき言ってたでしょ？思い出すのも何がキッカケになるか分からないし、仕事の邪魔はしないからさ。」
にこりと微笑んだかと思うと休憩スペースでいつ持ち込んだのか車の雑誌を開きモデルさながらのポーズで寛ぐ。
時折店内外のお客さんへ愛想を振り撒く“チャラい刑事さん”
…そのお陰で女性のお客が続けて入る入る。
合間に男性も居たけれど、いつも以上に女性率が高かった。
通常よりも早い時間にパンも流れるように売り切れてしまった。
──最強招き猫じゃん。
顔がいいっていいなぁなんて思いながら、元凶の“チャラい刑事さん”を見るとこちらに笑顔で手を振り返してくれた。
この狭い店内で、そんな素敵なスマイル振りまかれたらそりゃ女性は皆釣られますね……
奥から念の為にと取り置きをしていたパンを袋に詰めて“招き猫さま”へ捧げに戻る。
「これ招き猫のお礼です。」
「……え？」
「確かお好きでしたよね、ベーコンエピ。前にも買ってたし、売れる度に目で追っていてとても分かりやすかったですよ。」
「やるねー、店長さん。でも俺も一個見付けたよ。」
「なんです？」
おどけた顔からがらりと空気を変えて、差し出した袋と一緒に私の手を優しく包み込み同時に熱い視線を送ってくる。
「店長さん…今度俺とデートしない？」
「はい、これ。」と流れで手渡されたのは携帯の番号が手書きされている名刺…断る訳にも行かず受け取る。どうやら彼は機動隊にいるらしい。
色々と突っ込みたい欲を抑えて、お返しにエプロンに忍ばせているお店の名刺を渡す。
「パンの予約ならいつでもどうぞ。」
「参ったなぁ、そうきたか。」
「元々そんな気無いでしょうに。あれだけ熱い視線貰ってたから、バレてるんだろうなとは思いましたけど…」
「ほーんと、綺麗なのにもったいない。」
「刑事さん、女の一人暮らしって危ないからコッチのが色々と便利なんです。出来れば内密に…」
「そういう事にしとくよ。でも何かあればすぐに頼ってくれていいからね。男手は別物だろ？」
「そうですね…一応覚えておきます。」
またバレてしまったが、全然不快感など無くこうして笑い合って秘密の共有が出来たのは彼の人柄だろう。
不思議な茶番劇の終わりに、どちらともなく二人して吹き出した。
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雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください！ (12月9日 5時) (
レス) @page12 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
Kichi(プロフ) - ayastさん» ayast 様 応援ありがとうございます。こだわりつつ書いているので、不思議さを感じていただけてとても嬉しいです。遅筆ですが頑張らせていただきます。 (6月6日 22時) (レス) id: 3d03e69c56 (このIDを非表示/違反報告)
ayast(プロフ) - お話し読ませていただきました‼︎とても不思議な設定で私も不思議体験しているようです楽しく読ませてもらいました‼︎これからも応援しています！ (6月4日 23時) (レス) @page7 id: af36fdec29 (このIDを非表示/違反報告)
Kichi(プロフ) - 有理さん» 有理 様 感想ありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです。お言葉を糧に頑張らせていただきます。 (5月24日 23時) (レス) id: 3d03e69c56 (このIDを非表示/違反報告)
有理 - 最初から読んできました！凄く理想な話です！楽しく読ませてもらってます！ありがとうございます！無理せずに頑張ってください！ (5月20日 9時) (レス) @page4 id: a05ef41127 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kichi | 作成日時：2023年5月12日 15時
