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こういう時程小学生アピール凄いなと尊敬してしまうが、今日のこの話はちょっと恥ずかしいから知られたくない。
それなら──
引き下がる気配の無い“少年”の隣にしゃがみ耳元に手を当てて先日の仕返しも兼ねて大袈裟にそっと囁く。
「(この前から盗み聞きしようとして……ボウヤのえっち)」
「えっ…な、な!?」
「ハハハッ!かわいいねー、キミは。」
真っ赤になった“少年”の頭を強めに撫でてから立ち上がる。
例のガムの仕返しとは言わないが、彼の事だから理解出来ただろう。本当はもっとからかいたい所だが、あまり長引くとボロが出かねないのでやめた。
既に目の前の二人が不思議な顔をしているしね。
「店長さん、コナンくんに何を言ったんですか?」
「それはボウヤと私の秘密。ね、ボウヤ?」
「耳まで真っ赤にして、何か想像でもしちゃったのかしら。」
「ち、ちがうよ!」
「とにかく秘密は秘密。ボウヤも詮索は程々にね?」
「……はぁい。」
相変わらず察しのいいことでニヤける園子ちゃんと鈍めの蘭ちゃん、赤い耳を隠すように押える少年の姿に私もニヤけるのが止まらない。
「あ、そうだ。コナンくん明日からキャンプだったわよね。朝ご飯用に食パン買って行く?」
「あ、うん。僕もそう思って寄ったんだった。」
「キャンプ?」
「博士と子供たちでキャンプに行くんです。」
「よく出かけるわよね、あんた達。羨ましいわ。あーあ、私もイケてるメンズとキャンプ行きたいなー。」
「園子には京極さんがいるじゃない。」
「園子ちゃん彼氏出来たの?」
「彼氏って言うのかしら。真さん全っっ然帰って来ないんだもの。」
「遠距離か、でもそれもいい思い出だね。」
「もしや、店長さんも遠距離した事あるんですか?!」
「全然!年齢=恋人いない歴の私なんかの話は置いておいてさ…若い二人の話の方が絶対楽しいって。ねぇ、ボウヤ?」
「えっ、あ、そうだね。」
突然話を振られ油断しきっていた“少年”の頭を撫でて誤魔化しに巻き込む。
話題を変えても本人がここにいるからまたダメージを与えられるからなんて、楽しいからかいも込めて。
赤くなったり、青くなったりと表情を変える少年を楽しみながら時間はあっという間に過ぎていった。
明日の準備もあるからと三人とは早めに別れを告げて、店内の目立つ所に学園祭のポスターを貼り付ける。
「また、キミに会えるかな……」
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雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください! (12月9日 5時) (レス) @page12 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
Kichi(プロフ) - ayastさん» ayast 様 応援ありがとうございます。こだわりつつ書いているので、不思議さを感じていただけてとても嬉しいです。遅筆ですが頑張らせていただきます。 (6月6日 22時) (レス) id: 3d03e69c56 (このIDを非表示/違反報告)
ayast(プロフ) - お話し読ませていただきました‼︎とても不思議な設定で私も不思議体験しているようです楽しく読ませてもらいました‼︎これからも応援しています! (6月4日 23時) (レス) @page7 id: af36fdec29 (このIDを非表示/違反報告)
Kichi(プロフ) - 有理さん» 有理 様 感想ありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです。お言葉を糧に頑張らせていただきます。 (5月24日 23時) (レス) id: 3d03e69c56 (このIDを非表示/違反報告)
有理 - 最初から読んできました!凄く理想な話です!楽しく読ませてもらってます!ありがとうございます!無理せずに頑張ってください! (5月20日 9時) (レス) @page4 id: a05ef41127 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kichi | 作成日時:2023年5月12日 15時