伝説の呪われし妖刀《舞桜》 (ページ2)

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プロローグページ2

今日は皆、朝から複雑な表情をしていた。

今日は修行からAが帰ってくる日だ。

勿論、誰からも好かれているAが帰ってくるのは誰にとってもすごく嬉しいこと。

でもそれと同時に今日は…

大和「次はどんな主が来るのかな？」

加州「さぁ？…少なくともこの前の主みたいな人は嫌だね。」

新しい主がやって来る日でもあるから。

この本丸は8年位前から2ヶ月前位までブラック本丸だった。その本丸の主、僕達の元主でもある女は脇差以上の刀剣男士には毎夜、夜伽を命じたり一部の短刀達には暴力を振るったりしていた。

またその女の霊力は多いには多いが、汚くて誰も手入れを望まなかったのでAが来るまでは血生臭い本丸だった。

5年前にAが来てから血生臭い本丸ではなくなった。

Aが本霊の刀剣女士である反面、裏山にある桜の精霊でもあり、霊力持っていたから。

何故か女はAを怖がって短刀達に手を出すこともなくなった。

それから暴力はなくなったが夜伽は続けていたのでブラック本丸だとバレて女は捕まり、また本丸に平和が戻った、と思ったのも束の間今日新しい主が派遣されてくるのだという。

皆が浮かない顔をしている理由はそれだ。

その時、優しい風が吹き何枚か桜の花びらが舞いこんできて、

桜のいい香りがふわりと本丸を包んだ。

A「ただいま～。」

Aののんびりとした声と共に短刀達のはしゃぎ声。

もう帰ってきたの！？

急いで大広間に行かないと。

ーーー

A「ちょっと服変えたし、何かが見えるようになったと思うw」

そう言うAの桃色の着物も巫女服に変わっていて一つに結んでいた髪は下ろし、桜の髪飾りがついている。右目を隠すようにしてつけていた包帯はなくなり、澄んだ美しい水色の目をしていることを初めて知った。

見えるようになった、とAが言ったが本当にその通りだ。

大和「A、その後ろにいる人は誰？」

A「あぁ、この人は簡単に言うと私の前の主の恋人だった葵さん。もち、幽霊。」

おそらく、赤ん坊と共に死んだのだろう。

葵の腕の中で赤ん坊がスヤスヤと寝息をたてていた。

乱「そういえばA！今日新しい主が来るの知ってる？」

するとAはにっこり笑って

A「もちろん！だってここにいるじゃない。」

その一言で皆が固まった。