一緒に行きましょう! ページ8
石上side
朝目が覚める。学校に行く時間が遅いから世間と比べたら若干遅めの目覚まし時計を止めて一階に降りる。
朝食を食べているといきなりインターホンが鳴った。
石上母「はーいどちらさま…あら?あ!あの時の!久しぶりねぇ」
え、何こわっ…どんな状況?てかこんな早くから誰だよ…
石上母「優ね?ちょっと待っててね」
え、僕?なんかしたっけ、高額請求とか…?
石上母「優!お迎えが来てるわよ、Aちゃん!お店に来た時はあんなに小さかったのにねぇ」
石上「は⁉…いや、あいつならやりかねない…」
いままでで一番早いんじゃないかってくらいの速さで準備をして家を出る。
玄関を出るとAがニコニコしながらおはようございます!と挨拶してきた。
石「お、おはよう…」
『一緒に学校にいきましょう!車がありますので!』
腕を引っ張られながら高そうな車に乗り込む。
集「お久しぶりです石上様。いきなりのお迎え大変失礼しました」
石「Aと一緒にうちの花屋に来た人…ですよね?」
集「はい。その節は大変お世話になりました。私、Aお嬢様の側近をさせていただいている相澤集と申します。以後お見知り置きを」
石「石上優です…」
『それじゃあ学校行きましょう!!』
それから学校に着くまでAといろんな話をした。お見舞いに行っていた母親が亡くなったこと、父親とあまり仲良くないこと、父親と賭けをしているということ。なんの賭けか聞いてみたが教えてはくれなかった。
集「お嬢様、到着しましたよ」
『ありがとう集。あ、優くんまだ車から降りないでくださいね!』
そう言って1人で車から降りてしまった。僕が1人で混乱していると相澤さんが困ったように笑っていた。
何が始まるんだ、と思っていたら僕の席側のドアが開いた。開けたのはAで僕の方に手を伸ばしてきた。
「手を取って降りてあげてください」と相澤さんに言われ、その通りにするとAは「エスコートくらい朝飯前さ、英国紳士としてはね」と自慢げに言った。呆気にとられていると「イギリスで通ってた学校の教授の口癖なんです。真似したかったみたいで…」と相澤さんが小声で教えてくれた。
石「明日から毎日これなのか?」
苦労の種がまた1つ増えた気がした。
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2020年2月21日 17時