あだ名 ページ38
『JOJO、JOJO、JOJO』
「…どうした？」
『えっ⁉…っと』
三人での下校途中、そう呟いていると本人の耳に入っていたようで不思議そうに聞かれた。
驚きで肩がはねてから考えていたことを思い返し恥ずかしさがやってくる。
承太郎に直接言っていいのか迷いはありつつも正直に口を開いた。
『…承太郎のJOJOってあだ名でしょ？
その、あだ名ってちょっと憧れがあって』
「あだ名…！」
「友達って感じがして」と蚊のなくような声で付け足す。
花京院も賛同してくれるようで勇気が出てくる。
あだ名なんて同級生にフザケてつけられたことしかないので、密かにそれに対する憧れを募らせていた。
「別にあっても良いことなんざねえぞ」
「『それでも欲しい！』」
私達の思考が理解できないとでも言わんばかりの顔で見てくる。
食いぎみに言う私と花京院とはえらい天と地ほどの熱量の差だ。
そんな私達の熱におされてか、ため息をつきつつもあだ名が欲しいという要求を受け入れてくれた。
「花京院、テメーはどんなのがいい」
「僕は二人が決めてくれるなら何でも」
『わかった！今考える‼』
本格的に始動するあだ名つけの楽しさに心を踊らせる。
花京院のあだ名を考えるために思考を研ぎ澄ませた。
あだ名は名前の最後に何かつける事が多い気がする。
けど“たん”とかは花京院には似合わなさそうだし。
『かきピー？』
「チェリー院」
「別に笑いは要らないんだけどなあ」
どうやら私にはあだ名をつける才能がないらしい。
意外と人のニックネームをつくるのは難しいようだ。
承太郎のチェリー院にはなかなか光るものが眠ってる気もするけど。
『ゴメン花京院、ロクなものが思い付かなくて』
「いいや、謝らなくてもいいよ。
僕のために考えてくれただけで嬉しいから」
「ン」
毎度のごとく花京院に救われていると不意に承太郎が足を止めた。
視線の先にはいつ見ても大きい空条邸。結局あだ名はつかず仕舞いか。
「それじゃあこの件はまた明日にでも」
「じゃあな」
『うん』
一日経ったら私のあだ名候補はどんなことになっているのか。
手を振って別れようとするがふと遊び心が沸きいたずらっぽく告げる。
『またね、Q太郎』
「…ああ、またな。ヤナギモト、テンメイ」
承太郎も宿帳に書いた名前を覚えてるんだ。
些細なことを記憶されてるのが嬉しくてたまらない。
…なんか、もうあだ名は当分なくてもよく思えてきた。
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酸性雨の１つ(プロフ) - 蛸山葵さん» いえいえ、、貴方こそが神なのです。崇め讃えます。 (2月3日 21時) (
レス) id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 酸性雨の１つさん» まさか私の知らぬ間に降臨していたとは……。神の名に恥じぬよう頑張りたいと思います！ (2月3日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
酸性雨の１つ(プロフ) - 、、、神が此処にいますね存在してますね (2月3日 11時) (レス) @page50 id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 憂さん» 「続きが見たい」と言ってくれてとても嬉しいです！申し訳ありませんが変にダラダラと続けるよりは今区切っておきたいと思いまして…。まだ拙い文ですが読んでくださりありがとうございました。 (11月7日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - お、、終わっちゃうんですか！！ できることなら続きが見たいです 間違いであってくれぇ〜 (11月7日 0時) (レス) @page50 id: fbaa8ffb84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛸山葵 | 作成日時：2023年8月28日 23時
