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「お客さん、着きましたよ」


「…ああ、すみません。ありがとうございます」



そんなに遠くは無いとこに着いたが、ここなら嗅ぎつけられることも無いだろう。

お代を出そうと財布を取り出す時に手首の痛みに気づいた。
捻挫しているのか、少なくとも正常な色では無い。
タクシーのバックミラーで顔もよく見れば赤くなっている。


お代を出して裸足でホテルのフロントまで行って、今からチェックインできる部屋に案内してもらった。すごく小さい部屋だったけど、仕方ない。とりあえず1週間はここにいよう。



「とりあえずお風呂ー、…」


スマホがピコンと鳴った。メッセージの通知だ。


常田さんからだった。家着いたか?、との事だ。
なんて返そう、と思いながら風呂に入るため着ていた服を脱いでいると今度は電話がかかってきた。


「もしもし、すみません今返そうとしてて…」


「いや、大丈夫なんだけど…家着いたん?」


「家というか、…ちょっと彼氏と喧嘩しちゃって訳あってビジネスホテルに…」


「やっぱりだわ、なんかAちゃんに似てる子が入っていった気がしたんよ」


「えっ、嘘…」


「なんかしかも、靴履いてなかったろ?」


「あーいや…マジか…

ていうか、なんで常田さんがこの辺にいるんですか?」


「なんでって、俺の家そのビジホの横だから」


「え」



終わったと思った。彼氏と喧嘩して裸足でビジネスホテルに駆け込む女なんて最悪すぎる。

いくらなんでも醜態晒しすぎだろ、私。



「まあともかく、泊まんならちょうどいいや。明日俺スタジオ行くから、色々置いてる荷物もって帰ればいいじゃん。車乗せっから」


「そ、そうなんですね〜…分かりました、ありがとうございます…」


「おう。てか、大丈夫なん」


「あ、ああ、大丈夫ですよ!裸足で歩くの楽しかったです!」


「なんやそれ笑 …んじゃあまた、明日の時間後で送るから。まあ、なんつーか、お大事に。」


「はい、常田さんも休んでください」


「つーかずっと常田さん、じゃねーだろ」


「…大希さんも、休んでくださいね」


「ふっ、おー。おやすみ」


「おやすみなさい」



ピコン、と電話が切れた音がして、ああー!っと叫んでしまった。



「さいっあく、もーなんでこんな恥ばっか晒すかなあ!もう!全部あの男のせいだよ全く!」



イライラをお風呂場で叫びながら、シャワーを浴びることにした。

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(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ 応援してます٩(^‿^)۶ (2月5日 2時) (レス) @page12 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なーご | 作成日時:2024年1月30日 4時

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