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「離して、っう…」


彼の頬を叩こうとすると呆気なく手を取られ、そのまま力強くねじ伏せられた。


「仕事辞めるって言え、じゃなきゃ離さねえ」


手は両手で拘束され、逃げられない。


「コウくん、…ごめんね」


「…?」


「…っおりゃあ!!!」


「あ゛っ…!?」



母直伝の男に襲われた時の対処法、金的キックで彼の拘束から逃れ、バックだけを持って急いで家から出た。
かなり痛そうだったし、もうしばらく追ってこないだろう。


「はあ、はあ、…よかった…」


最寄りのタクシー乗り場まで走って呼吸を整えながらタクシーに乗ってから気付いたが、急ぐあまり靴を履いていなかった。


「ぷっ、…ふふ」


「お、お客様…?どちらまで」


「ああ、えーと…どこか適当なビジネスホテルでお願いします。場所はお任せしますので」


「は、はあ…」



全く、今回ばかりは男運がないにも程があるなとつくづく思った。彼、あんな人じゃなかったのにな。

そんなことを思っていれば目が涙で滲んできた。しばらく家には帰れないし、あそこにある私の作品達、どうなっちゃうんだろう。


窓の外の景色を見て、思いに耽った。


スマホには不在着信が99+と表示されている。
コウくんからだ。


スマホの電源を落として、限界にだった眠気に落ちた。

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(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ 応援してます٩(^‿^)۶ (2月5日 2時) (レス) @page12 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なーご | 作成日時:2024年1月30日 4時

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