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「あの、これは...その、アイロンで火傷して...?」


「いや流石の俺でも何かわかるわ」



少し笑って私の頭を軽く叩いた大希さん。
確か家を出た時会いませんように、なんてお祈りしたはずだったな。

会えたことがうれしくて、お祈りしたことも隠さないといけないことも忘れていた。



「あ、あはは...

だ、大希さんは何買いに来てたんですか?」


「俺はタバコ買いに来てた。
昼飯も買おうと思ったんやけど食いてえもん無くてね...
Aちゃんは?」


「私は〜...絆創膏...」


「ああ、隠すん?」



自分の首を触ってジェスチャーする大希さん。見られたことは恥ずかしいに限るが、意外にも大希さんは気にしないようで安心した。



「なるほどね。...そういや」


「?」


「今日夜、空いてる?」


「今日の夜は...」


打ち合わせも思ったより早く終わり、個展の下見と打ち合わせさえ終われば空いていないことは無かった。


「飯行かねえ?」


「うーん...今日は夜ご飯作らないといけないかもです」


「あぁ、そっか。じゃあまた近々」


「ごめんなさい、せっかくのお誘いなのに」



コウくん嫌がるだろうな、大希さんとご飯なんてバレたら相当怒られるだろうなという不安から適当な嘘でせっかくのお誘いを断る事になってしまった。

こんな事考えていて、一生彼と2人で会うことは出来なくなってしまうのかと思うと悲しくなる。



「んじゃ。絆創膏忘れんなよ」


「忘れませんよ...また今度誘ってください」




背中を向けながら手をひらひらと振る彼は、すぐに事務所へ入っていってしまった。彼がいなくなってから、せっかく会えたのに何も喋れなかったと今更後悔する。


「あ、個展のチラシも渡そうと思ってたのに...」


仕方ないか、とその場で深呼吸をして次の仕事場へ向かった。





*




「ただいま〜」



夕方の帰宅になり、本当は終電で帰る覚悟だったので今日は美味しいものを作ろうとスーパーに寄って沢山買い物をしてきた。



「おかえり、早かったね」


「今からご飯作るから待ってて」




「はーい」と彼は自室へ戻っていった。
荷物を床におろし、スマホを確認すると大希さんから連絡がきていた。



常田来週の金曜多分理と取材終わりに飯行くけどくる?



2人きりじゃないのなら、彼に怒られる心配もないかとリビングでテレビを眺めるコウくんを見る。
”行きます!”と返信をして、早速料理の準備に取り掛かった。

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(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ 応援してます٩(^‿^)۶ (2月5日 2時) (レス) @page12 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なーご | 作成日時:2024年1月30日 4時

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