revolving lantern : (ページ22)

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あれから2ヶ月、大希さんともあれ以来会っていない。
コウくんとは可もなく不可もなく、今まで通り順調に付き合っている。そういえば先月、いつ結婚するの？なんて母親から連絡がきていた。コウくんからも年内には届けを出したいと相談されている。

支度を済ませ、先に出るねと朝ごはんを食べるコウくんに伝える。

「今日はどこ行くの？」

「バンドの人達がジャケ写考えて欲しいって言ってくれたから、事務所に打ち合わせ。

帰りもしかしたら遅くなるかも」

「そっか。...あの人には会わない？」

彼の指すあの人、とは大希さんのこと。
あの日以来常に彼と私が会わないか心配するようになった。

「会わな...」

そういえば、今日行く事務所って大希さん達も所属同じ所だったっけと思い出した。

「...会うかもしれないの？」

「同じ事務所だなって思い出しただけ。会わないと思っ＿＿」

コウくんが首元にキスをする。

「...行ってらっしゃい」

開放された首元をスマホカメラで確認すると、やっぱり赤く痕が残っていた。

「いい加減にしてよ、社会人だよ」

「なんで怒るの？意味わかんない」

話の通じない彼に苛立ちを覚えながら逃げるように家を出た。どうか、大希さんと会いませんように、と強くお祈りしながら乗る予定の電車に間に合うよう少し早歩きした。

*

「＿＿＿って感じなんですけど...」

トントン拍子で話は進んで、あっという間に打ち合わせは終わった。どうやらジャケ写の案も気に入ってくれたようだ。

「お疲れ様でした、何かあったら連絡してください」

おつかれした、あざした、と体育会系っぽい返事がメンバーから返ってきてゆっくり打ち合わせ室のドアを閉める。

キスマークには絆創膏を貼る予定が、時間が無くコンビニに寄れなかったせいで最初はバンドメンバーの皆さんの視線を私の首元へ集めることになった。

急に恥ずかしくなって頭をブンブン振りながら事務所を出てすぐ横にあるコンビニへ駆け込んだ。

「Aちゃん？」

「へっ？」

絆創膏を早歩きで探していると後ろから声をかけられる。

「よ、久しぶり」

「大希さん！」

久々に会えたことが嬉しくて嬉しくて、すぐに彼のもとへ駆け寄った。

「久しぶりです！元気でした？」

「おー......元気よ」

大希さんの視線が自分の顔より下に向けられるのが分かった途端、はっと首を隠した。

「あの、これは...」