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Aside



スタジオに置いていた荷物をまとめ、また車に乗って次は自宅へと向かっていた。スタジオを出る前コウくんにはもうすぐ帰るね、と連絡しておいた。といっても、彼はまだ勤務中だろうが。



「ここ曲がってもらって、」


「ん、...つうか家意外と遠いんやな」


「彼氏にはできるだけ安いところ住もうってお願いしたので」



どうしても同棲したいっていうコウくんは都心の方に住むつもりだったみたいだけれど、就職を選ばなかった私にはとても払える家賃じゃなくて都心から少し離れた場所に住んでいる。


もうすぐ家が見えてくる頃だ、と見慣れた景色を眺めていると見覚えのある姿が目に入った。


コウくんだ。



「あっ、この辺で大丈夫です」


「家あのマンションやろ?前停めるって」


「いやその、...」



言い訳する間もなく、ちょうどコウくんの前で車は止まった。



「彼氏?」


「はい...」



コウくんは外から私が車に乗っていることに気付いたようだった。組んでいた腕を下ろして車に駆け寄ってくる。
彼がどんな反応で私を迎えるのか不安で動悸がした。

ありがとうございました、と伝えて車のドアを開ける。
すると大希さんも荷物下ろすわ、と運転席から降りた。



「A、」


コウくんが私の名前を呼ぶ。
彼の顔を見てひとつ安心したことと言えば、怒ってるようには見えなかったこと。


「ただいま、ごめんね」


気まずさを誤魔化すように苦笑いでコウくんにそう伝えた瞬間、彼は少し泣きそうな表情で勢いよく私を抱き寄せた。



「A、ごめん、本当にごめん」


「えっちょっ、大希さん居るから、コウくん...!」



頑張って引き剥がそうとするけれど、びくともしない。
恐る恐る振り返れば、両手に私の荷物を持った大希さんが苦笑いでこちらを見ていた。


「ちょっと、落ち着いてっ!」


精一杯の力でようやく離れてくれたコウくんもようやく大希さんに気がついたのか、大希さんを見てあっ、と声を出した。


「お世話になりました、すみません」


コウくんが深くお辞儀をして、私も後を追うようにお辞儀をした。


「いえいえ...俺はAちゃんにたまたま会っただけなんで」


そう言いながら荷物を手渡す大希さんとそれを受け取るコウくん。大希さんは荷物を渡すとさっさと車へ戻ってしまった。

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(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ 応援してます٩(^‿^)۶ (2月5日 2時) (レス) @page12 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なーご | 作成日時:2024年1月30日 4時

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