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寝ていた井口さんもちゃんと別室で寝させる事に成功し、大希さんの淹れたコーヒーをソファで飲んでいた。
大希さんも煙草を吸ってから、机にコーヒーの入ったマグカップを置いて私の隣に座った。



「Aちゃん、何もねえみたいにしてるけど

普通に警察とか行かなくていいの?」



怪我のことだろう。
確かに殴られたんだから警察に被害届ぐらい出す事は出来るのか、と今更思い出した。



「大事にしたくないので。

彼も連日仕事でストレス溜まっちゃってたのかもですし」


「殴られたんやろ?普通冷めるだろ」


「普通そうなんですけどね

彼も最近は結婚見据えてて、
家族からの期待も熱いので中々別れる勇気もなくて

こんな仕事してて5年も支えてくれてた事実はあるし、売れてきたからって捨てたみたいになるのも嫌だなー、とか」


「Aちゃんも色々考えてんだな」


「何回も言いますけど、私もいい歳した女なので」


「はは、そうだったわ」



普段からは見受けられない優しい顔で笑う大希さん。
こんなにも優しい人だったのなら、もっと最初からお話しておけばよかったかな、と少し後悔する。



「なんなら、今の状況知ったら彼氏怒るんじゃねえの」


「あはは、確かに。
まあ結婚前の一遊びって事で、内緒です」


「わりい子やな」


「そんな、人を浮気者みたいに言わないでください」


「…これは浮気じゃねえの?」



大希さんの低い声が、一段と鼓膜に響く。

彼が何を考えてるのか頭の中でぐるぐる考えるけど、ピンと来なかった。

彼の考えを探るためにも、また駆け引きのように質問を返した。


「大希さんは浮気だと思うんですか?」


「そりゃあ、彼女が男の部屋で隣同士で座ってりゃ彼氏は浮気だと思うんじゃねえの?」


「まあ、言われてみればそうかもしれないですけど...」



大希さんの意図は読めない。
彼の返答は上手く交わされたような気さえした。



「Aちゃんはどっからが浮気だと思ってんの?」



誰でも考えたことのあるよくある質問だし、何度も話題に上がるテーマだ。でも話し相手が大希さんで2人きりだと言うだけに、少し戸惑ってしまう自分がいる。




「うーん…、手繋いだり、とか?」



「ふぅん」




大希さんは1口コーヒーを飲み、机に置くと手といえば、と体をこちらに向けた。




「これ、病院行かなくていいの?」




大希さんはそう言って、先程新井さんが処置してくれた私の怪我をした右手を手に取った。

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(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ 応援してます٩(^‿^)۶ (2月5日 2時) (レス) @page12 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なーご | 作成日時:2024年1月30日 4時

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