revolving lantern : (ページ1)

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ツアーの最終日が終わり、アフターパーティーが始まった。

「お疲れ様でしたー！」

乾杯音頭が店中に響きわたり、
みんな一斉にお酒を飲み始めた。

「Aさんも、ありがとうございました」

「いえいえ！こんな場所に呼んでいただけるなんて思ってもなくて私もありがたいです。」

制作チームの皆さんと一通り挨拶を交わしたが、人見知りな性格のせいか、その後特に一緒に飲む相手もおらず遠くでメンバー達やチームのみんなが盛り上がっている様子を見てハイボールを1口飲んだ。

私は制作チームという訳でも彼らのバンドのマネージャーでは無く、今回のアルバムのジャケット写真から始まり、ライブのステージや映像を共同制作させていただいた。

制作チームの皆さんとも長い付き合いであった訳では無いから、こうして飲もうと誘える相手もおらずバーカウンターで1人で飲んでいるわけである。

手に持ったハイボールが無くなりそうになった頃、店の奥の方に座っているosrinさんから大きく声をかけられた。

「Aさーん！！」

笑顔で手招きする彼の元へグラスを持って移動すると、今回の主役King Gnuのメンバーの3人と制作チームの主要メンバーとなる複数人が座っている。

「どこ行ったのかと思ってたわ笑

Aさん本当にありがとうね、座って座って」

ありがとうございます、お疲れ様です、という声が次々に寄せられる。osrinさんがポンポンとたたくソファに腰をかけた。

「いえいえ、みなさんが納得できるツアーになって私も嬉しいです」

彼らを前にして内心心臓がバクバクして落ち着かないせいでこんな薄っぺらいコメント1つしか出てこず、手汗が止まらない。

「Aさんに任せてよかったね、ほんと」

そう声をかけてくれたのはボーカルの井口さん。

「みんなめっちゃジャケ写気に入ってるしね笑」

「俺も色んな人からいいねって言って貰えたよ」

新井さんに勢喜さんも続いて褒めてくださった。

「ありがとうございます、嬉しい、」

1人で活動してきた分、こんなに直接褒められたことは無かったので緊張と照れでまたまたいい言葉のひとつやふたつもでなかった。

「…あ、そういえば常田さんは、」

「わり、外してた。Aちゃん、お疲れ様です」

そう言って私の背後から登場したのは、常田さん。
仕事上、メンバーの中では彼と一番接することが多かったからか”Aちゃん”、と呼ばれている。

「っお疲れ様です、常田さん」