死ねない ページ10
『ご飯行こうよ。何処でもいいから。ねぇ...。』
そう吐いた言葉は、静かな部屋に吸い込まれていった。
誕生日なんて、どうでもいいから。
兎のぬいぐるみよりも、本物の初兎に会いたいよ。
『やっぱり、大っ嫌い...。』
忘れかけた頃に、こうして思い出させてくる。
せっかく初兎がいなくてもやっていけそうだったのに、こんなの見たら独りでやっていけないよ。
メッセージカードなんて、残さないでよ。そんなの、要らないから。
なんか、もう全部どうでもいいや。
私はフラフラと立ち上がると、そっと家を出た。
公園、あそこの公園で死んだら、初兎と一緒になれる？
そんな考えしか頭になかった私は、公園のベンチに腰掛けて、車が通るのを待った。
そんなところにちょうど通り掛かったのが、一台のトラック。
私は微笑むと、一直線にトラックの方へと飛び込んだ。
聞いたことのある大きなブレーキの音。
あの日の蝉の代わりに鳴く鈴虫。
少し暗くなってきた空。
誰かに突き飛ばされる感覚。
あぁ、死ねなかった。
私は閉じていた瞳をゆっくりと開いた。
「バカッ...！！」
私の目に映ったのは、息を切らして私に向かって怒っている由菜だった。
『邪魔、しないでよ。』
消え入りそうな声でそう呟く。
由菜はギュッと唇を噛み締めてからゆっくり口を開いた。
「Aまで死んじゃったら初兎くんが悲しむよ！」
この期に及んでまだ初兎のこと？
結局初兎のことしか頭にないんじゃん。
『うるさい！知ったような口聞かないで！』
「Aこそ、初兎くんがどれだけAのことを大事にしてたか知らないでしょ！？」
初兎がどれだけ私を大事にしてたか...？
由菜はゆっくりと話を始めた。
「Aは知らなかっただろうけど、私ね、Aと同中だったの。」
中学生の頃、由菜の姿なんて一度も見たことがなかった。
てっきり受験して、私立の中学校に行ったのだと思っていた。
「私、中学の時にはあの事を後悔してて、Aに謝りたかった。」
苦しそうにそう話続ける由菜。
そんな顔しないでよ。謝りたかったんだったら謝ったら良かったじゃん。
「でもね、初兎くんに止められてたの。これ以上Aに近寄るな、って。」
『う、そ...。』
「初兎くんはいつもAのことを一番に考えてたんだよ。」
由菜の瞳から溢れ落ちる涙。
由菜はそれに構わず、言葉を続けた。
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ちと(プロフ) - まじで泣いてしまう...初兎ちゃんと、夢主さんにはあのままの日常を送ってほしかったなぁ... (8月22日 15時) (
レス) @page16 id: f6b0a849c1 (このIDを非表示/違反報告)
Near - ひーいれりすさん» 返信遅れちゃいました〜！すみません💦涙を止めること....できないですねｗ ハンカチで拭いといてください！！() (2023年3月26日 14時) (レス) id: 20a94c6827 (このIDを非表示/違反報告)
ひーいれりす - すいません誰か涙を止められる人はいませんか… (2023年3月6日 23時) (レス) @page23 id: 166743b295 (このIDを非表示/違反報告)
Near - 瑠夏さん» 目からスライムという表現で笑ってしまった() 人を泣かせる天才....。ありがとうございます（？） (2022年11月14日 20時) (レス) id: 20a94c6827 (このIDを非表示/違反報告)
瑠夏 - やばっ目からなんかスライムが止まらない(;~;)Nearさんは人を泣かせる天才かな？？ (2022年11月14日 6時) (レス) @page23 id: 427d2fc8fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Near | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Naer/
作成日時：2022年9月5日 18時
