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「近寄らんといて」
当然の報い。
例えそうだとしても、心の支えがいなくなることは、想像以上につらかった。
学校はともかく、自分の家でさえ、居場所はどこにも存在しなかった。
「すみません、ほんまに、すみませんでした」
「ごめんな、今は、謝られても困るだけやねん…
もう少し整理させて、くれへんかなっ、？」
自分の代わりに、親が対応する。
俺も照史も、自分の部屋から出なくなった。
「なあ、なんで飛び降りたん…
俺、夏歩がおらな、生きていけへんよっ、」
見せられなかった涙が、指の隙間を縫って顔を覆った手の甲を伝う。
まるで子どものように部屋で泣きじゃくった。
生きていけない。
彼女の気持ちに気づけなかった罪すら償えない。
そんな俺を支えてくれる人なんているわけなくて。
同じ道を辿れば少しは楽になるのかなんて、気づけばふらふらとした足取りで防波堤へ向かっていた。
「…あ、きと、」
ただ、そこに照史がいたのは予想外で。
防波堤に座り込んだ彼を、思わず呼んでしまった。
「……なんで来たんや」
「…ご、めんな、帰るわ」
冷たい視線。ガラリと変わった雰囲気。
全て、夏歩の面影を感じさせる。
怖くなって、怖気づいて。
背を向けたけれど、彼の声に、もう一度後ろを見た。
「…�陲舛磴鵝�
「っ、！」
「ごめんな」
「あ、きと？」
「一生許されへん。
やけどもう幼馴染みを恨むのは限界や」
俺も�陲舛磴鵑凌誉顕�してもうた。
ごめんな。ほんまは、大好きやからな。
何百年ぶりくらいに見たような気がした。
それほど見なかった照史の笑顔。
″「私な、向日葵が好き」″
″「お兄の笑顔、みんな太陽みたいやなって言うけど私は太陽ちゃうくて向日葵やと思うねん！」″
″「太陽みたいに遠くやなくて向日葵みたいに近くで一緒に成長してくれる笑顔」″
″「あ、これ、恥ずかしいからお兄には内緒やで？」″
いつしか、そう言って無邪気に笑った夏歩の笑顔と、今の照史の笑顔が重なった。
「大好きやからさ、最後に話せてよかった」
「照史？最後ってなんなん？
なあ、照史まで俺を置いて行かんといてやっ、」
「自分勝手でごめんな？」
愛してんで。
ふざけたようにそう笑って。
兄妹は残酷や。
残した言葉も一緒で、一緒に消えていく。
それも、俺のせいで自ら将来を絶つ。
「嫌や、なあっ、照史！！」
俺は、海へ飛び込んだ。
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一波(プロフ) - お返事ありがとうございます！とても嬉しいです！凛憧さんのまだ読んだ事ないお話読むのがとても楽しみになりました。 (2019年10月6日 15時) (
レス) id: 00967ad8ca (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 一波さん» とても嬉しいです、ありがとうございます。感情を留めずに一気に読んでもらえるなんて嬉しくて、とても光栄に思います。是非また読みにいらしてください。拙い文章ではありますが、いつでも迎えさせていただきます。こちらこそ、読んでいただきありがとうございました。 (2019年10月6日 0時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - 気付いたら読み終わっていた。それ位このお話に夢中でした。栞は挟んだままにしておいて、お話の中の皆に会いたくなったらまた来ようと思います。素敵なお話をありがとうございました。 (2019年10月6日 0時) (レス) id: 00967ad8ca (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - 凛憧さんのスウィートバイオレットのお話の雰囲気がすごく好きで、同じ作者さんのはまちゃんのお話が読みたくて来ちゃいました。読み出したら止まらなくて一気読みしちゃいました！読んでいて苦しくもありましたが、それ以上にどうかみんなにしあわせなラストをと祈り (2019年10月5日 23時) (レス) id: 00967ad8ca (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 雷さん» ありがとうございます。丁寧な感想、気持ち、伝えていただけるのは書いている身の上とても嬉しいです。優しいお言葉を励みにこれからも頑張らせていただきます。閲読いただきありがとうございました。 (2019年8月8日 20時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
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