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「なあ、」
『ん？』
「Aは、さ。
その、俺のことどう思ってるん？」
『…なに急に』
「気になってたんやもん。
なんか、よう分からんときあるし」
下駄で歩くのは、はっきり言って歩きにくい。
なのに、私に合わせて歩幅を小さくしてくれる望は、誰にでも優しい人。
私なんか、親友ってだけ。
勘違いしちゃいけない。
『どう、って…
いきなりそんなこと言われても、さあ』
「せやな。困るわな」
ごめんごめん、と笑う望。
でもその笑顔の方がよっぽど困ってるように見えて。
いっそ、伝えてしまおうか。
ずっとずっと、気がついたら好きだった、って。
本当は親友だなんて思えてないんだよ、って。
アホと言って笑ってくれたら、それでいい。
『…特別な人』
でもやっぱり私にそんな勇気はない。
「なんやねんそれー」
おちゃらける望にも、それを根掘り葉掘り聞くような理由もない。
『特別は特別なの。喜べ！』
「いや分からんのに喜べるかアホ！」
だから、お互いに目をそらす。
『じゃあ望は？』
「なんで俺が言わなあかんねん」
『私言ったし』
「平等主義者？」
『もちのろん』
ぎゅっと握ったビー玉に切なくなる。
両想いって、奇跡。
そう実感することができるのは、いつだって片想いをしている人だけで。
いとも簡単に両想いになれるような優しい美人の類に私は生憎入っていないから。
「俺にとっても特別やな」
『…あ、パクった』
「好き」の二文字も、期待しない。
『望』
「ん？」
『…もし、』
もし、この関係が崩れないなら。
伝えたら、なにか変わるかな。
「特別」から「気になる」に変わって、私を少しでも意識してくれるようになるのかな。
もしそうなら、伝えようか。
せっかくの、夏祭りだから。
浴衣やメイク、花火にビー玉。
夏だけの魔法にかかってもいいと思えるような…
そんな、素敵な一日だったから。
『もし、私に好きな人ができたら、望とのこの距離は崩れちゃうかな』
こっちは真剣に聞いてるのに、君はまたそうやって、ふっ、とバカにしたように笑うんだ。
「んなこと、あるわけないやん。
Aとのこの距離、俺結構気に入ってんねんで？」
そっか。そうだよね。
恋だけで人から離れるような薄情者じゃないもんね。
花火が上がったら、言おうかな。
夏だけの、キラキラ輝く魔法に、頼ってみよう。
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凜憧(プロフ) - まさなさん» ありがとうございます。私も今は徐々に自分を奮い立たせてなんとか行ってます…笑 少しでもお力になれるよう、これからも執筆を続けて参ります。 (2019年12月7日 1時) (
レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
まさな(プロフ) - 凜憧さん» あれ、読んでくれてるんですか！？嬉しいです！海の滴のあとがきで泣きました。私も数ヵ月前まで保健室登校だったので、凛憧さんの気持ちが分かりました。いつまでも応援してます (2019年12月7日 1時) (レス) id: 709458c7d0 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - まさなさん» なんて嬉しいことを言ってくださるんですか…！大ファンだなんて、もう泣きそうなくらい嬉しい言葉です… チラッと作品の名前を拝見させていただいたのですが、ままがむかえにこなかった。という作品、私読んでおります！！笑 お互い頑張りましょう！ (2019年12月7日 0時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
まさな(プロフ) - 『海の滴《紫》』も読んでるんですよ。『夏恋注意報《赤》』も読んでます。そして他の作品もすべて読んでます。私って凛憧さんの大ファンじゃないですか？（唐突）大好きです！頑張って下さい！応援してます(о´∀`о) (2019年12月6日 22時) (レス) id: 709458c7d0 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - ばと担さん» ありがとうございます！わ、キュンキュンしてもらえてよかったです！嬉しいです、頑張らせていただきます！ (2019年7月9日 11時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
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