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「A先輩!」
『あ、神山くん』
「また神山くんって呼んだ。
名前で呼んでって俺言うたやないですか」
『だって神山くんは神山くんだもん』
「もう、なんで!」
『子どもみたいなこと言わないでよ…』
なんでと連呼する神山くんを諭すだけで「お似合い」だと周りから言われる私。
言わせてほしい。
どこが?
どう見たら神山くんに私が似合うの?
こんなイケメンと私って。
不釣合いでしょ。どう考えても。
「先輩」
『なに?』
「あの、今週末、夏祭りあるやないですか」
『ああ、あったね』
「誰かと行きますか?」
なぜか不安そうに私を見つめる神山くん。
無自覚なんだろうなあ。
何人の人がこの目に落ちたんだか。
そう思いながら首を横に振る。
『ううん、多分行かないよ。
今年は受験もあるから』
「え、先輩行かへんの?」
『まあ、うん』
さらにうるうる度を増した瞳。
でもだからって勉強しないのもなあ。
結構大事な時期なんだけど。
神山くん分かってるかな。
…分かってないだろうな。
「先輩、ほな息抜きに俺と行こ」
『神山くん、人の話はちゃんと聞こうか』
「息抜きやもん。
そんなに勉強したら死んでまう」
『死ぬほど勉強するものだけどね。
受験ってそういうもんだと思うけどね?』
「ええの!たまには必要!」
とにかく!と言い張る神山くんに、やっぱり息抜きもいいかな、なんて。
私、神山くんには甘くしちゃうんだよな。
『分かった、分かったから。
夏祭り一緒に行こう』
「え、ほんまに?」
『行かなくていいなら行かな……』
「あかん!行くの!」
用件はそれだけだったのか、ニヤニヤとしながら去っていく。
可愛いなあ。
ガッツポーズなんてしちゃって。
『…でも私でいいのかな』
絶対誘われた子いたよね。
いいのかなあ、私となんかで。
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凜憧(プロフ) - まさなさん» ありがとうございます。私も今は徐々に自分を奮い立たせてなんとか行ってます…笑 少しでもお力になれるよう、これからも執筆を続けて参ります。 (2019年12月7日 1時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
まさな(プロフ) - 凜憧さん» あれ、読んでくれてるんですか!?嬉しいです!海の滴のあとがきで泣きました。私も数ヵ月前まで保健室登校だったので、凛憧さんの気持ちが分かりました。いつまでも応援してます (2019年12月7日 1時) (レス) id: 709458c7d0 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - まさなさん» なんて嬉しいことを言ってくださるんですか…!大ファンだなんて、もう泣きそうなくらい嬉しい言葉です… チラッと作品の名前を拝見させていただいたのですが、ままがむかえにこなかった。という作品、私読んでおります!!笑 お互い頑張りましょう! (2019年12月7日 0時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
まさな(プロフ) - 『海の滴《紫》』も読んでるんですよ。『夏恋注意報《赤》』も読んでます。そして他の作品もすべて読んでます。私って凛憧さんの大ファンじゃないですか?(唐突)大好きです!頑張って下さい!応援してます(о´∀`о) (2019年12月6日 22時) (レス) id: 709458c7d0 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - ばと担さん» ありがとうございます!わ、キュンキュンしてもらえてよかったです!嬉しいです、頑張らせていただきます! (2019年7月9日 11時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
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