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「なんか食べたいもんある?」
『んー、綿あめ!』
「は、あんなん砂糖の塊やんけ」
『もしかして太るって言いたいの?
ねえ、そう言いたいの?』
「そこまで言ってへんやん」
砂糖とは無縁だもんね。
コーヒーだってブラックだもんね。
知ってるんだよ。
先生の中で完全な無糖飲めるの、淳太先生だけなの。
女の先生に、そのことも含めて人気なことも。
全部全部、知ってるのに。
『え、買ってくれるの?』
「あのなあ、奢らせるほどケチやないねん」
『でも、』
「はいどーぞ。
先生ちゃうんやから気兼ねすんな」
渡された綿あめがふわふわと揺れる。
少し千切って、いる?と目の前に持っていけば指ごとパクリと食べるから。
驚いて目を見開くと「ようこんな甘いもん食えるな」なんて馬鹿にする。
『なんでよ、美味しいじゃん』
「味覚が子どもなんちゃう?」
『あ!もう、私それ気にしてるのに!』
「まあでも甘党もかわええけどな」
『っ、せん、淳太くん!!』
ニヤリと笑ってからかう先生に悔しくなって、綿あめを口に突っ込んでやる。
うげ、と甘そうに顔を顰めた淳太くんを見て、してやったりな顔をした。
「明らかに調子乗ってるな」
『乗ってないもん』
「俺が悪い?」
『もう、分かってるなら余計にからかわないで!』
軽くグーパンチしてみると、痛っ、と大袈裟に反応される。
そんな子どもみたいな一面も、思わず笑っちゃうほど好きなんだ。
「綿あめだけでええの?」
『他にも奢ってくれるの?』
「食べたいならな」
『じゃあ一緒に焼きそば食べよ!』
半分になった綿あめを持って、淳太くんを引っ張る。
笑った顔に、ドキリと胸が高鳴った。
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凜憧(プロフ) - まさなさん» ありがとうございます。私も今は徐々に自分を奮い立たせてなんとか行ってます…笑 少しでもお力になれるよう、これからも執筆を続けて参ります。 (2019年12月7日 1時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
まさな(プロフ) - 凜憧さん» あれ、読んでくれてるんですか!?嬉しいです!海の滴のあとがきで泣きました。私も数ヵ月前まで保健室登校だったので、凛憧さんの気持ちが分かりました。いつまでも応援してます (2019年12月7日 1時) (レス) id: 709458c7d0 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - まさなさん» なんて嬉しいことを言ってくださるんですか…!大ファンだなんて、もう泣きそうなくらい嬉しい言葉です… チラッと作品の名前を拝見させていただいたのですが、ままがむかえにこなかった。という作品、私読んでおります!!笑 お互い頑張りましょう! (2019年12月7日 0時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
まさな(プロフ) - 『海の滴《紫》』も読んでるんですよ。『夏恋注意報《赤》』も読んでます。そして他の作品もすべて読んでます。私って凛憧さんの大ファンじゃないですか?(唐突)大好きです!頑張って下さい!応援してます(о´∀`о) (2019年12月6日 22時) (レス) id: 709458c7d0 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - ばと担さん» ありがとうございます!わ、キュンキュンしてもらえてよかったです!嬉しいです、頑張らせていただきます! (2019年7月9日 11時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
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