きゅんきゅんありおかくん(Daiki.A) (ページ6)

今日:26 hit、昨日:1 hit、合計:168,720 hit

#06　久しぶりにページ6

・

『今日は、伊野尾と有岡』

部署ごとに行われる朝礼。
朝から二人の声が重なる。

『げ、』
「え！」

「やったー!!」
『まじかよー...なんで外回りなんだよ』

歓喜の声と落胆の声。
私の声と伊野尾くんの声。

『久しぶりに免れたじゃん』
「ねー、嬉しい」
『俺も、ひっさしぶりに隣に人がいるわ』
「ふふ、おやつとられないようにしないと」

早速、ぱさっと私のデスクに置かれる大量の書類。
隣を見るとにやにやした顔で私を見る山田くん。

もしかして、雑用をやらせようとしてる...。

『外回りじゃないんだからこれくらいねー？』
「...山田くんの仕事でしょ？これ」

書類を戻し、早速カフェオレを入れる。
デスクワークをする際には欠かせない飲み物。

山田くんも真似するかのようにカフェオレを淹れる。

『今日はうるさいのがいなくて楽だわー』
「それ伊野尾くんのこと？」
『そ、暇になったらすぐ話しかけてくんの、こっちは集中してるっていうのにさー』
「伊野尾くんらしい」

向かいのデスクではなにやらもめてるのか聞こえるのは大貴と伊野尾くんの言い争う声。
伊野尾くん、外回りがほぼ0に等しいからわかんないのかな。

あ、違う。
絶叫系のアトラクション、苦手なんだっけ。

今日に限って、絶叫系アトラクションがうりの遊園地だからきっと行きたくないって駄々こねてるんだろうな。

『今日お昼一緒に食べよ？』
「いいよ、どこいく？」
『んー、新規開拓したい』
「ふふ、調べといてね」

久しぶりのデスク。自分のデスクなのに若干緊張する。
前よりキーボードを打つのが遅くなってたりして。

ちらっと前を見るとまだいる大貴と伊野尾くん。
早く行かないと定時までに帰ってこれないのに。

『も～やだやだやだ』
『いのちゃん！仕事！』
『大ちゃん一人でいってこいよ～』

『いのちゃん、いってらっしゃい』
『山田...』
「いって、らっしゃい」
『Aまで...』

半ば、強引に引っ張られてここを後にした伊野尾くん。
今日は、大貴が忙しい日になりそう。

さっき淹れたカフェオレを啜りながら、もくもくと仕事を進める。
誤字脱字が多いな、なんて呆れながら。

久しぶりのデスクワーク。腰が痛くなる。
目がちかちかするしずっと同じ作業でつまらない。

大貴は今、何してるんだろう。

・