きゅんきゅんありおかくん(Daiki.A) (ページ41)

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#41　中途半端な距離感ページ41

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大貴と並んで歩くのは久しぶりで、
二人で飲みにいったときが最後だなあなんて遡る。

いつもならふざけあいながら歩く道も、
今日はやけに質素に見えるのはきっと、お互いが無言だから。

あれ、駅までの道ってこんなに遠かったっけ。

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大貴「あのさ、」
「なに？」

気まずそうに、彼が私に話しかける。
そんな彼に、いつもどおり、応える。

大貴「昨日なんであんなところにいたの」
「...え、昨日？」

昨日は確か、伊野尾くんと二人で飲みにいって、
...そうだ、私、全部忘れちゃってるんだ。

「ごめん、飲みすぎて覚えてない」
大貴「そっか、じゃあいいや」
「え、なに、教えてよ、気になる」

じゃあいい、なんて素っ気無いこと言わないでよ。
そんなこといわれたら誰だって気になるでしょ。

それでも頑なに口を閉じてなにも話さない大貴に嫌気がさして、
もういい、なんて意地を張って少し距離をあける。

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取引先までの電車の中、
二人で空いた席に座るけど会話は生まれなくて。

窓の向こうの景色を眺めながら、
イヤホンで音楽を聴いていた。

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「わ、」
大貴「なにきいてんの」
「え、なんでもいいじゃん」
大貴「こういうの聴くんだ、」

急に片耳のイヤホンが外れたかと思えば、
不機嫌そうな大貴の声が耳に入る。

いいでしょ、なに聴いてたって。
大貴には関係ない。

むすっと意地を張って音楽をとめれば、
つまらなさそうな顔でイヤホンを返してきた。

大貴「なに怒ってんの」
「怒ってるのは、大貴のほうでしょ」

揺れる車内、大貴にぶつからないように窓にもたれる。

大貴「そりゃ怒ってるよ、怒ってるっていうか、怒ってはないけどいらいらするっていうか」
「それもう怒ってるじゃん」
大貴「ほんとに昨日のこと覚えてないの？」
「覚えてないからわかんないんでしょ、」

逆ギレしてごめん、
私の悪い癖だ。

でも、一度開いた口はそう簡単には閉じられない。

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大貴「昨日、いのちゃん家に泊まったでしょ」

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むすっと頬を膨らまして、両手で私の顔を押さえる。
ぐっと近くなった距離、逃げることができない。

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大貴「俺の家には泊まりたくないっていったのに」

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