#37 同じお店 ページ37
・
馬鹿みたいだと思った。
記憶をなくしてしまおうだなんて。
よくあるドラマのヒロインかと思った。
タイミングよく、遭遇するなんて。
・
伊野尾「...」
「もういいの、しらない」
伊野尾「だめだって、それ以上飲んだら」
いつしか立場は逆転していた。
お酒の苦手な私。
苦手な理由は、すぐに酔ってしまうから。
そんな私は今、
酔って全て忘れてしまおう、だなんてずるいこと考えて、
二軒目にきてからもう4杯もサワーを飲んでいる。
「次はレモンにしよっかな」
伊野尾「A、そろそろほんとに」
「いいじゃん、心配してくれる人なんかいないんだから」
ああ、きっと私は酔ったらめんどくさいタイプなんだろうな。
伊野尾くんが、バツの悪そうな顔で私を見るんだもん。
・
目的のお店と同じお店ののれんをくぐった大貴。
気を遣ってくれた伊野尾くんがお店を変えようと提案してくれたけどそんなのおかまいなしに同じお店に入った。
お店の一番角、
楽しそうにお酒を飲む大貴が見える。
そんな大貴は私たちに気づいていない。
・
伊野尾「俺は心配してる、」
「ありがと、」
伊野尾「どうすんの、もし変なやつに捕まったりしたら」
「しらない、」
ぐびぐび、とお酒を飲みながら焼き鳥を食べる。
女を捨てた私は、人目なんか気にせずに串を持つ。
別にいいじゃない、
今日くらいお酒に頼ったって。
苦手を克服するんだって、
ね、真っ当な理由でしょ?
・
伊野尾「俺が、襲っても知らないよ?」
「伊野尾くんはそんなことしないもん」
伊野尾「さ、どうかな、わかんないよ、そんなん」
冗談を言う伊野尾くんの足をパンプスでえい、と蹴ってみる。
痛い、なんて笑顔でいうんだからさっきのは冗談確定。
グラスで溢れたテーブル。
お互い、まだまだここに居座るつもりだ。
ちらり、と大貴のほうを見ると、
いつの間にか彼はビールを口にしていて。
「すいません、ビールください」
無意識のうちに、大貴と同じものを頼んでいた。
・
「苦い」
伊野尾「Aにはまだ早いんだよ」
「はやいってどういう意味」
伊野尾「そのまんまの意味。」
「大貴でものめるのに」
伊野尾「いちいち気にしないの、もう」
対等だと思ってたのに、
いつの間にか少しだけ大人になってたんだね。
・
#38 やっと気づいた? *Kei→←#36 二軒目に行こう
1707人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くれは(プロフ) - きゅんきゅんが止まらないです、、!!更新頑張って下さい (2019年8月17日 3時) (レス) id: 2527cc3178 (このIDを非表示/違反報告)
優奈(プロフ) - 更新頑張って下さい! (2018年3月30日 7時) (レス) id: 3f4b9811b7 (このIDを非表示/違反報告)
も も ◎(プロフ) - 侑李さん» 覚えてる〜!また話そ話そー!! (2017年12月22日 18時) (レス) id: 81bb0c824b (このIDを非表示/違反報告)
も も ◎(プロフ) - るなさん» ありがとうございます!!更新がんばります〜! (2017年12月22日 18時) (レス) id: 81bb0c824b (このIDを非表示/違反報告)
も も ◎(プロフ) - 美々羽さん» 覚えてる覚えてるー!!またTwitterでもよろしく!! (2017年12月22日 18時) (レス) id: 81bb0c824b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:も も ◎ | 作成日時:2017年9月5日 20時