#31 苦手なお酒が進む時 ページ31
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大貴の家に泊まるんだったら、鍵を持ってきてもらう必要なかったのに、
なんて。
気がつけば大貴のお酒はもう4杯目に入っていて。
体調よくないのにそんなにお酒飲んで大丈夫なのかな。
大貴「22時になったらでようね」
「え、そんな早くお店出るの?」
大貴「だってほら、準備とかいろいろしないとだめじゃん?」
「準備ってなんの?」
大貴「俺の家に泊まりにくる準備」
少しだけ、酔いが回った頭で考える。
付き合ってもない男の人の家に泊まりに行くって、どうなんだろう。
よくはないよね、絶対。
「そのことなんだけどさ、やっぱりやめとこうかなって」
大貴「え、なんで?俺なんかした?」
「だって、付き合ってないんだよ、私たち」
付き合ってない、か。
なんか、自分で口にするとなんともいえない感情に襲われる。
ちらっと大貴を見ると、少しだけ潤んだ瞳をしていて、
ばちっと視線が絡む。
その大貴の表情が子供のような、だけど大人のような、
ああ、大貴ってそんな顔するんだ。
手元にあったお酒を一気に飲んで、
返事の返ってこない間に耐えられなくなった私は、店員さんを捕まえてサワーを頼む。
...普段の私だったら、絶対頼まない。
あれから一言も話さないし、お酒も口にしない大貴。
私の元にはサワーが届いた。
お酒が得意じゃないのに、酔ってしまえばごまかせるかも、なんて。
いつもよりハイペースでお酒を口にしていく。
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大貴「...付き合ってないもんね、確かに」
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サワーを半分くらい飲み終えたとき、
伏し目がちでそう、口にした。
「そ、そうだよ、だから今日はやめとく」
残り少なくなったカプレーゼを頬張り、サワーを飲む。
サワーとカプレーゼってあんまりあわないのかも...。
とにかく、このことを頭から消したくて、
珍しく無言な大貴に気を遣わしているのかもしれないって考えたらいてもたってもいられなくて。
なにか違うことを話さないと。
そんな使命感に駆られていたそんな時。
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大貴「じゃあ、付き合っちゃえばいいんじゃないの?」
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私の向かいに座る大貴は、私の頼んだサワーを一口啜る。
...ねぇ大貴。
自分が何を言ったかわかってる?
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くれは(プロフ) - きゅんきゅんが止まらないです、、!!更新頑張って下さい (2019年8月17日 3時) (レス) id: 2527cc3178 (このIDを非表示/違反報告)
優奈(プロフ) - 更新頑張って下さい! (2018年3月30日 7時) (レス) id: 3f4b9811b7 (このIDを非表示/違反報告)
も も ◎(プロフ) - 侑李さん» 覚えてる〜!また話そ話そー!! (2017年12月22日 18時) (レス) id: 81bb0c824b (このIDを非表示/違反報告)
も も ◎(プロフ) - るなさん» ありがとうございます!!更新がんばります〜! (2017年12月22日 18時) (レス) id: 81bb0c824b (このIDを非表示/違反報告)
も も ◎(プロフ) - 美々羽さん» 覚えてる覚えてるー!!またTwitterでもよろしく!! (2017年12月22日 18時) (レス) id: 81bb0c824b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:も も ◎ | 作成日時:2017年9月5日 20時