きゅんきゅんありおかくん(Daiki.A) (ページ4)

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#04　ジェットコースターページ4

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「きゃー!!!」
『わー!!!』

ABCランド。
...あれ、私達今仕事中だよね。

「涼しい～!!」
『さいこー!!』

ジェットコースター。
髪型が崩れることなんて気にせずに、何回も何回も同じ乗り物に乗る。

フリーパスって便利。

「あ、大貴センターわけになってる」
『Aもぐちゃぐちゃ！』
「えー、なおしてよー」

人があんまりいない朝方に何度も同じアトラクションを乗るってちょっと目立つけど...
どうでもいいや。

『んー、うまい！』
「つめたーい！」

売店でアイスクリームを買って二人で食べて。

『いちごちょうだい？』
「じゃあチョコも！」
『たっくさんおたべ！』
「太らす気ー？」

仕事じゃないんじゃないかっていうくらい充実してる。
おかげで大貴のメモ帳には『遠い』の二文字だけ。

パシャパシャって参考資料になるような遊園地の写真を撮る。
時折大貴が写るのはわざとなのかはたまた偶然なのか。

『やっべ！もう2時だ！』
「うそー！早くない？」
『ここから駅までー』
「30分...」
『タクシー乗る？...経費で。』

大貴との、楽しい外回りが終わりを告げる。
楽しいっていうかもう飽きてきたところもあるんだけど。

ふわって肩にかけられるタオルは紛れもなく大貴の香り。
隣には、わかったような顔をして私を見る彼がいる。

『タクシー呼びました』
「経費、便利ですね」
『へへ、薮くんに怒られるかな』
「言い訳考えよう」

ABCランドを出て、タオルを返して。
大貴が頼んでくれたタクシーを待つ。

「薮くんになんていう？」とか『経費どれくらいになるかな』とか。
ベンチもなければもたれる場所もない遊園地の門の前。

『全然こないじゃん』
「あ、あれじゃない？」
『え、見える？』
「わっ」

タクシーを見るためにちょっとだけ背伸びをした大貴、
が、バランスを崩して私にぶつかった。

「暑い」
『あー、やばい。俺超涼しくなった』

ぶつかった...だけなのに抱きしめられる体は少し汗ばんでる。
ぺたって肌と肌が触れ合う。

涼しくなんて、なるわけないのにね。

「きたよ、乗ろう？」
『えー、もうずっと来なくていいのに』
「早く来て欲しかったのはどこの誰ですかー」

大貴と二人、乗り込んだタクシーは。
少しだけ遠回りをした。

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