きゅんきゅんありおかくん(Daiki.A) (ページ27)

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#27　へっくしゅんページ27

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「おはようございまっくしゅんっ」
有岡「はよざいまーへっくしゅん」

次の日の朝、なんだか変な寒気を感じながらも大貴と一緒に出社した。
昨日と同じ服、きっと気づく人は気づくだろうけど生憎そんな間柄ではなく、昨夜は何も無かった。

というかむしろこっちのくしゃみのほうが気になってしまう。

昨日、毛布もかぶらないままそのままソファで寝ていた私たちは、朝からずっとくしゃみの連発。
大貴は滅多に風邪を引かないのか家にはマスクすらなかった。

伊野尾「風邪引いたの？っていうかA、昨日と服同じだ、しかも二人一緒って...はっもしかして♡」
「残念ながら伊野尾くんが想像してるようなことは一切ありませんでした」
伊野尾「ちぇー、つまんないの」

今日はデスクの移動、契約社員の岡本くんの隣に移動することになった私の椅子の上には折りたたんであるダンボールが。
ダンボール使わなくても移動できるのにな、と思いながらも些細な薮くんの気遣いに感謝する。

まだ岡本くんと山田くんは来ていないのか社内は比較的静かで。
「へっくしゅん」「くしゅん」と私たちのくしゃみが社内に響く。

薮「あ、きたきた...っていうかなにそのくしゃみの量、風邪？」
「そうじゃないことを願ってます」

空の牛乳瓶を手にしながらやってきたのは薮くん、
少し気持ち悪そうにしてるのはたぶん、昨日飲みすぎたんだろうな。

薮「でもごめんね、」
「なにがですか？」
薮「移動が終わったら岡本つれて外回りしてきてくんない？」
「え、外ですか？」
薮「一応、お世話になってる会社とか一通り場所教えて欲しいなと」
「...わかりました...くっしゅん」

そうだ、私、岡本くんの教育係だったんだ。
教えてあげること、たくさんあるな。

今のうちに少しでも綺麗にしとこうと少しずつ荷物を移動させていく。
しばらくすると岡本くん、山田くんも出社してきて。

いつもの朝礼を済ませた後、私は山田くんに手伝ってもらいながらデスクの移動を済ませ、岡本くんを連れて外回りへと向かう準備。

昨日はあんなに打ち解けていたのに、今日はすごく緊張してるように見える。

「岡本くん、いこう」
岡本「はいっ！」

変に声が裏返った岡本くん。
ほんの少しだけ寒い外。

風邪じゃないことを祈りながら、私たちは駅へ向かって歩いた。

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