#23 いちゃいちゃ ページ23
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『すっきりした!』とラフな格好でシャワーを終えてきた大貴は何のためらいもなく私の隣に位置づけた。
大貴『なんでソファの上で三角座りしてるの?』
「なんとなく...です」
大貴『...へへ。リラックスしていいよ』
テレビの向こうでは7人のアイドルがどれだけ女の子を満足させられるかっていうのをやってる。
いろいろきついだめだしが流れているのが面白い。
そんなテレビに釘付けになっている私の隣では、カシュっと缶をあける音が聞こえる。
ちらっと隣を見ると喉仏を動かしながらお酒を飲んでいる大貴が。
ふいにもかっこいい、なんて思ってしまった私は、
テレビに視線を移す。
大貴『...あ! ねぇA』
「なに?」
大貴『いいものがあるんだけど、一緒に食べない?』
「いいものって?」
大貴『いいから!、ちょっとまってて?』
急にキッチンのほうへ姿を消した大貴。
いいものってなんだろう。
大貴『これ!...覚えてる?』
「...ピピコだ」
大貴『一緒に食べない? あのときみたいに半分こしよ?』
「うん」
はじめて大貴とあって、少しだけ一緒にすごした時。
コンビニは遠いのに、いつも必ず買いに行ってたアイス。
『どうぞ』とさっきとは打って変わって本当に酔っている大貴からピピコを受け取り、一口口にする。
久しぶりに食べるそのアイスに懐かしさを感じる。
大貴『たまたま買ったの、この前』
「そうなんだ」
大貴『懐かしいね、もう10年くらい前のことだね...』
「もう10年もたつんだ」
片手に収まるくらい細いアイスをちびちびと食べる。
前は、どっちが先に食べられるか、なんて競争してたなぁ。
いつも大貴が買ってくれたピピコ。
一度見た財布の中は小銭だらけでびっくりしたっけ。
大貴『今年の夏で10年か...』
「早いし長い」
大貴『ね、長いね。』
「でも私、初めて会った時のこと覚えてるよ。」
テレビをみると、そこにはもう7人のアイドルは映ってなかった。
隣には大事にピピコをもつ大貴がいる。
大貴『俺も覚えてる。あの時のAは救世主だったよ』
「ふふ、あの時の大貴はね...」
大貴と初めて会った時のことを口にしようとしたとき、
ふと、躊躇ってしまう。
「あのときの大貴は...」
10年前のある夏の日のこと、私は見知らぬ男の子を見つけた。
別れ道の前、不安そうにそこに立つ大貴を。
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くれは(プロフ) - きゅんきゅんが止まらないです、、!!更新頑張って下さい (2019年8月17日 3時) (レス) id: 2527cc3178 (このIDを非表示/違反報告)
優奈(プロフ) - 更新頑張って下さい! (2018年3月30日 7時) (レス) id: 3f4b9811b7 (このIDを非表示/違反報告)
も も ◎(プロフ) - 侑李さん» 覚えてる〜!また話そ話そー!! (2017年12月22日 18時) (レス) id: 81bb0c824b (このIDを非表示/違反報告)
も も ◎(プロフ) - るなさん» ありがとうございます!!更新がんばります〜! (2017年12月22日 18時) (レス) id: 81bb0c824b (このIDを非表示/違反報告)
も も ◎(プロフ) - 美々羽さん» 覚えてる覚えてるー!!またTwitterでもよろしく!! (2017年12月22日 18時) (レス) id: 81bb0c824b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:も も ◎ | 作成日時:2017年9月5日 20時