きゅんきゅんありおかくん(Daiki.A) (ページ22)

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#22　いいでしょ、ここページ22

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半ば無理やり連れてこられたのは一人で暮らすには十分な広さのある2LDKの部屋だった。

大貴『ゆっくりしてね、ふふ』

『帰れない』と駄々をこねる子供のように道の真ん中で足を止めた彼は、
仕方がなく、「今日だけ」と返事をした私をその場で抱きしめた。

いつもは人目を気にしてしまう私。
でもなんだかその時はどうでもよくなって、

あいた両手でそっと大貴を抱きしめた。

大貴『お風呂、お湯沸かす？』
「私は、借りれるならシャワーでいいよ」
大貴『そう？...じゃあ、お先にどうぞ』

どこか気まずい雰囲気の私たち。
大貴に促されて脱衣所へ向かう。

...あ、

「着替え、どうしよう」
大貴『ちょっとまってね...俺のでもいい？』
「ふふ、大貴のしかないでしょ？」
大貴『そりゃそーだ、きれいなやつ探すね』
「なんでもいいよ」

まさか今日、大貴の家に泊まることになるなんて今朝の私は考えてもいなかった。
大貴とランチをたべて、ケーキを買ってもらって、岡本くんがきて、歓迎会をして。

予想しないことが、起こりすぎて少し疲れたかも。
大貴がクローゼットを漁っている間、そっと壁にもたれる。

大貴『あった！これ、たぶんきれい』
「ありがと」
大貴『下着...とかはごめんね、ないみたい』
「あったら怖いよ、」

綺麗にたたまれた上下セットのスウェットを受け取り、
今度こそはと脱衣所へ向かう。

けど、

大貴『あ！シャンプーは、俺の使っていいよ！』
「ありがと」
大貴『スースーしないやつだから！Aも使える...』

ことあるごとに、大貴が引き止める。
僕を一人にしないで、って言ってるみたい。

大貴の気遣いもあってか、特に気にすることも無く入浴をおえて、
ふわふわのバスタオルで髪をふきながらリビングに戻る。

シャンプーが、大貴の匂いだ。
柔軟剤も、大貴の匂いだ。

おまけにスウェットも。

大貴『あ！へへ、それ似合ってる。』
「ありがと。」
大貴『俺、シャワー浴びてくんね、テレビでもみてまってて？』
「うん」

大貴が座っていたソファに身を小さくして座る。
小さなテーブルの上に置かれている缶にはいったお酒とお菓子。

普段、見ることの無い大貴に少しだけ鼓動が早くなり、それは静かな部屋に響くような気がして。
大貴に渡されたリモコンでテレビをつけた。

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