きゅんきゅんありおかくん(Daiki.A) (ページ18)

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#18　しっかりしなくちゃページ18

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『そうだ！』と、勢いよく椅子から立ち上がり、山田くんと話していた岡本くんと肩を組む。
そして薮くんを見据え、口を開く。

慧『今日こいつの歓迎会しねぇ？』
大貴『いいじゃん！ちょうど晩一緒に食べる話してたし！』
薮『岡本は今日、空いてる？』
岡本『あ、あいてます...』

急な伊野尾くんの提案から、どんどん歓迎会の話が進んでいく。
私と山田くんは、その話に置いてけぼり。

どこのお店に行こうとか、お酒は飲めるのかとか。
仕事をしろといっていた薮くんまで、乗り気になってる。

山田『お酒だって、飲み過ぎないようにしよー』
「ウーロン茶でも飲んどこ～」
山田『それいいね、コーラも頼む？』
「あ、いいかも、久しぶりに炭酸飲みたい」

置きざりにされた私たちも私たちで、ひそかに計画を立てていたりする。
4人が楽しそうに話している中、私たちは飲み物の話ばかり。

お酒があまり得意ではない私たちが、飲み会に参加することは少ない。
ましてや、歓迎会なんて参加したこと一度だけ。

そのときは、いつも2人でファミレスなりカフェなり、女子っぽいものを食べていた。

大貴『今日は2人とも、絶対来てよね！』
山田『わかってるって』
「岡本くんのためにいくんだもん」

すっかり場に溶け込んだ岡本くんは安堵の表情を浮かべながら話している。
楽しそうな声が聞こえてくる。

定時まであと1時間少し。
ほんの少しだけ薮くんが減らしてくれた仕事をこなしていく。

デスクの移動は明日。
山田くんと伊野尾くんの隣で仕事をするのも今日が最後なのかもしれない。

そう考えると、いつもお菓子を取られていたけど、そういうのもなくなちゃうのかなって。
少しさびしく思えたけど。

岡本くんの教育係としてしっかりしなくちゃ、と気合をいれれば
瞬時に気づいてくれる薮くん。

薮『あ、がんばってる』
「仕事の量、たいして減ってませんよ？」
薮『減らしてる減らしてる、笑ほら、歓迎会に向けてがんばれ！ほかのやつらも』

とん、と私の肩を叩いてデスクに戻る薮くんはさっきとは違う、ニコニコした笑顔で。
薮くんが笑ってるのは珍しくて、よっぽど歓迎会が楽しみなんだろうなって思えて。

がんばらなくちゃ、と自分に喝を入れた。

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