きゅんきゅんありおかくん(Daiki.A)

#17　先輩です ページ17

・









薮『それで、一応教育係につくのは葉月ね、その関係でデスクを移動してもらわないといけないんだけど...』
有岡『え！？ なんでAが教育係なんですか！』
薮『一番まともなやつ選んだんだよ』







彼と目が合い、少しだけ意識していた間に、話が進んでいた。
教育係、たった8文字の言葉だけどそれがどれだけ大きな仕事か、それなりにはわかっているつもり。







でもなにより、‘一番まともなやつ’と薮くんに少しだけでも褒めてもらえたことに優越感を抱いてしまう。
ごめんね、岡本くん。







薮『いいか岡本、 この小さいのが有岡。経費泥棒だから奢りの誘いは受けるな。』
有岡『小さいってどういう意味ですか！』








薮『で、こっちは山田、まあ真面目だけど褒めたら調子に乗るから間違っても褒めるな。』
山田『褒めてくれてもいいんだよ？君の評価がアップしちゃう♡』








薮『こっちは伊野尾、とりあえず暇さえあれば寝る、いや、仕事があっても寝るやつ。』
伊野尾『Aがいたら寝ないんだよ？』








薮『最後に葉月、お前の教育係だ、この中では一番まともだけどド田舎出身、都会の情報には疎いから気をつけて』
「出身いりません。もうこっちにでてきて10年はたってます」







薮くんの、個性的で毒舌すぎる私たちの紹介。
岡本くんに変に思われてないかと彼を見ると、笑ってた。







その笑顔を見たら、「ああ、そういうこと」って。
岡本くんの緊張をほぐすためだったんだって理解ができるけど。







もう少し、オブラートに包んでくれてもいいんじゃない？...って。







岡本『よ、よろしくお願いします!!』







また綺麗なお辞儀を披露してくれた岡本くん、は。
早速、山田くんに絡まれてる。





不安そうな彼の表情と、余裕をこいてる山田くん。
一応、教育係は私なんだから...。







「よろしく、岡本くん」
岡本『よろしくお願いします！』
伊野尾『あー、Aが先輩ぶってる！』
「先輩は先輩でしょ！」







岡本『お世話になります、 葉月先輩。』







あまりにも素直でいい子な岡本くん。
少しだけ、きゅんとした。









・

#18　しっかりしなくちゃ→←#16　契約社員です、どうも

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す