きゅんきゅんありおかくん(Daiki.A) (ページ15)

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#15　懐かしいページ15

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会議から戻ってきた大貴はパタパタとファイルで仰いで風を作っていた。

『なんで俺の分はないの？』
『金が無いから』
『Aのは買ったのにー？』
『山田には関係ないだろ～！』

大きな声がオフィスに響く。
私の隣、ずっと机に突っ伏していた伊野尾くんがもそっと動いた。

『大ちゃん、それ経費じゃないよね？』

少し髪がボリューミーな彼は、寝ぼけ眼でそう呟いた。

『ちげーよ！』
『そっか、残念』

いつもより大きな声にはにかみ笑顔。
...なにかいいことでもあったのかな。

ケーキを食べて、少しだけ眠くなった私は、眠気を覚まそうと頬をぺちんと叩く。
冷たい手が、妙に熱い頬を冷ます。

『さーて、けちな大ちゃんは置いといて仕事しますか！』
『どういうことだよ！』

ぐっと伸びをして、キーボードの上に綺麗な手をのせる山田くんは、私にこっそり「次は2人で買いに行こうね」と耳打ちをする。
けどそれを見逃さなかった大貴が、頬を膨らましてまた声を出す。

隣の伊野尾くんは、ふわふわしながら笑ってる。

なんだか、この4人が揃うのは久しぶりかもしれない。
大抵、誰かが外回りに出かけていたから。

急に高校生活を思い出す、
私は他の3人より少し短かったけれど、それでも楽しかった思い出が蘇る。

「またご飯食べたいね」
『あ！それいいね！』

ふと、呟いたことにすぐ反応する彼はやっぱり私の太陽だなって。
なんで、急に感慨深くなったんだろう。

『今夜いっちゃう？』
『ほえ、なんの話？』

ぱちぱち、と瞬きして私たちを瞳に映す彼は、話についていけていないようで。

『いのちゃんの奢りでご飯いこっか！っていう話！』
『なにそれ！俺きいてないんだけど！』
「ふふ、寝てたもんね～」
『今日の晩は楽しみだぁ！』

薮くんが睨んでることなんか誰も気づかない。
学生に若返ったかのようにキラキラしてた私たちは

『大丈夫なのかな...』

扉の前、不安そうに立つ彼のことなんか誰も気がつかなかった。

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※1話にたくさんの人が出てきて区別がしにくいので次のお話からは「」の横に名前を入れます※