きゅんきゅんありおかくん(Daiki.A)

#02　ここははじめて使うね ページ2

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『ここでいっぱいチャージしとけば休みでも経費が使える！』
「ずる賢い大貴、参考にさせていただきます」







ICカードの残高がなくなったから、とチャージをする大貴。
手にはピン札が。







薮くんも、経費をそのまま渡さなくてもいいのに。
だいたい領収書でしょ？







『あっちぃ、水、水』
「あ、そのカードはさっきチャージしたばっかりの！」
『そう！早速経費で水を買いたいと思う。葉月さんは、どれがいいかな』
「じゃあ麦茶でお願いします。有岡さん」







二人でふざけてちょっとだけずるして。
そんな毎日。







ほぼ毎日、この駅を使ってるけどこの自動販売機を使ったのは初めて。
それも経費で。







冷たい麦茶を大貴から受け取る。大貴は水をごくごく喉仏を動かして飲んでる。
そんなに暑くもないんだけど。







『ぷっは！ うま！水うまいわー。』
「外回りに感謝しないと」
『ほんとほんと、薮くんありがと！』







いないのに、手を合わせてお礼を言う大貴。
そういうところ、全く変わってない。







高校生のときよりは少し短くなった髪。
大人に見える、ちょっとだけ大きいスーツ(本人曰く、成長するから大きめを購入)。







左耳のピアスは、成人してからあけたもの。
ちゃんとしてるところはしてるの。







「今日はABCランドだっけ」
『そうそう！ なにか収穫あるかな』
「あるといいね。」







ガタンゴトン、と電車に揺られて2時間半。
目的地に着いた私達は涼しい車内とはお別れ。







鞄の中から携帯とメモ帳を取り出す。
仕事の始まりの準備。







『じゃあいきますか』
「はい」







少し汗を流してる大貴。
かっこよく改札にICカードをピっとあてる。







『えっ！なんでなんで！』
「ふふ、お金足りません」







スマートに通りたかったんだろう改札に引っかかって乗り越し精算に向かう。
なんでも、あと200円だったらしい。







水とお茶を買うからそんなことになるんだよ。







『仕切りなおし。』
「わかってる」
『じゃあ、今日もがんばろう！』







二人で改札を抜けて、何度目かの景色を目の当たりにする。
今日も、大貴との外回りがはじまる。









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