狸塚家の男らしい長女【学ベビ】Ⅰ (ページ5)

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第2話ページ5

Aside

翌日、廊下で狼谷と話していると何やら騒がしくなる。そちらに目を向けると向こうから歩いてきている鹿島がいた。

隼「よう鹿島」

A「やほ」

竜一「狼谷！狸塚さん！おはよう」

A「はよ」

竜一「あ、あのさ。狼谷、狸塚さん…俺どっか変かな？今日から制服ここのなんだけど」

A「……」

狼谷と私は自然と視線を下に向ける。そこにはなんとまぁ、小さい生き物達が。

隼「…あぁ、確かに」

竜一「確かに！？」

隼「こんなとこまで後ろにガキども引き連れて何やってんだ、お前」

竜一「！？」

A「逆にここまで気づかないのな」

鹿島の後をつけてきたのは虎太郎達だった。

竜一「虎太郎！？みんなもなんで」

鷹「こたろがきたそうだったから、ついてきてやったんだぞ」

拓馬「やったぞー！」

竜一「…虎太郎」

鷹「なありゅう、あそべ！！」

奇凛「あそんでくだちゃい！」

拓馬「あそべあそべ！」

あそべ、と騒ぎ出す子供達。

隼「鷹、今すぐ黙れ」

鷹「おれ、まだりゅうとあそぶじょ！」

すると「だ･ま･れ」と拳を構えながらすごむ狼谷。そしてそれにビビる鷹達。

A「はは…」

竜一「狼谷ぃ！幼児相手にすごむのやめて！！」

鷹「おでっ…おでだけ…にいち"ゃのんこたれぇぇ！！」

泣きながら廊下を走っていく鷹。

竜一「鷹くん！！走ったら危な─」

すると鷹は誰かにぶつかり、その衝撃で倒れる鷹を鹿島が支えた。

竜一「あの、ぶつかっちゃってごめ…」

？「──「ごめん」じゃないわよ。どうして中等部の校舎に子供がいるのよ。貴方の都合で学校を子供の遊び場にされたら迷惑だわ！」

竜一「！」

美鳥「びぇ…」

大声で言うものだから美鳥を筆頭に泣き出す子供達。

数馬「ねえち"ゃ…！！」

拓馬「ねえちゃ！」

A「ん、ほら」

泣きながら足に抱きついてきた数馬と拓馬を抱き上げる。

竜一「ごっ、ごめんね！！今すぐ連れてくから！みんな、大丈夫だから泣かないで！狼谷、狸塚さん！悪いけど連れて戻るの手伝ってくれる？」

隼「わかった」

A「了解」

私は拓馬と数馬を抱えて、鹿島達と保育ルームへ向かった。