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Sho side
廉に元気がないことくらい、わかるのに。
気づかないわけないことくらい、本人が一番わかってるはず。
だから俺は、体調悪いのか聞いたのに。
大丈夫やって、普通やって、返された。
このもやもやが消えないまま、持久走が始まった。
前を走る廉はよろよろで。やっぱり体調悪そうじゃん、なんて。
勇「紫耀、廉大丈夫だと思う?」
「知らない。」
海「無愛想だねぇ、、」
「....別に、無愛想じゃないよ。ただ、心配なだけ、」
そう言えば、俺は2人を置いて、廉を抜いてゴールした。
「油断してるから負けるんだよ、れ....廉、!?」
後ろを振り返れば、廉が蹲って倒れていた。
「廉、廉!!大丈夫!?ねぇ、!」
廉「ぅ....しょ、ぉ、」
「大丈夫だよ、すぐベット連れてくから!」
急いで廉をおぶって、保健室に行った。
相当な熱があるのが伝わってくる。
「しんどかったね、辛かったね、...廉、」
辛そうに顔を歪める廉の頭を撫でながら、俺は幼い頃に廉に言われたことを考えてた。
“しんどかったね、つらかったね、しょぉくん。...むりしちゃだめだって、れんのパパがいってたよ?むりしちゃ、れんがおこるもん、”
俺は小さい頃は我慢したがりで、倒れたりすることも多くて、廉やみんなによく怒られてた。
「無理しちゃダメだって、廉の父さんが言ってたんでしょ?...無理したら怒るって言ったじゃん。....ゆびきりげんまん、したじゃん、、」
俺たちが成長するにつれ、我慢することが多くなったのは廉だった。
何でも抱え込んで、無理して笑って。
2人で約束したのに。2人だけの秘密の約束。
何があっても無理しないように、辛いことも悲しいことも相談しようなって。
....廉はその約束、忘れた、?
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作者名:実愛 | 作成日時:2020年9月21日 18時