無能少女35 ページ37
『ぴぃ？』
「ﾋﾟｲﾋﾟｲﾋﾟｲﾋﾟｲﾋﾟｲ！！！」
ひよこの言うことが分かるのかって？分からないよ。
ht「……」
『ふふふっ、良かった。元気そう。あれ、ひとらん、外道丸は？高麗人参持ってきたんだけど…』
ht「！！…いや、外道丸には、合わせらんない…」
『…そっか。じゃあこれ、あげといて、外道丸好きだったでしょ』
そう言って随分前に山で取ってきた人参を渡す。直接あげられないのは残念だがやむをえない。
『じゃあ、俺、そろそろ失礼します。木の実もだいぶ拾えたし…あっそうだ』
そう言ってポケットから小さい笹の小包を渡す。
『これ、お礼です。ひよこ達にあげてください』
ht「…ん。また来てな」
『はい！』
――――――――――――――――――
手には小さな小包と高麗人参。
ht「なにこれ…」
まるでAみたいなことをするもんだと思ってゆっくり小包を開ける。そこには干したトウモロコシと乾燥させた麦が粗くすり潰されたひよこ達の餌が入っていた。
ht「！！これ、アイツらの好物じゃん」
ひよこ達の前にそれを置く。すると新人のひよこ以外みんなはその餌を食べ始めた。
試しに外道丸にも高麗人参をあげる。
ht「っ……やっぱり、外道丸は分かってたんだね」
嬉しそうに人参を頬張る外道丸。
やっぱり昨日の人影も、気の所為なんかじゃなかった。
ht「…A…！」
これはグルさんに言うべきか、でも彼女の事だ。ばらされたくないと思うのだろう。
もしかしたら俺の他にも知っている人がいるのかもしれない。
だから今は、知らないフリをしよう。
ht「バアル！！！」
遠くの彼女に向かって叫ぶ。
彼女は振り向き、頭にハテナを浮かべている。
ht「…また来て」
その想いを込め、帽子のつばをギュッと掴む。
彼女もそれに答えるように、右手でピシッと敬礼の姿を見せた。
とても優しい笑顔で。
もしかしたら彼女は、最初から俺に教えるために畑に来たのかもしれない。
Aが生きている。
その事だけが嬉しくて、自然と涙が零れた。
ht「ｽﾞｯ…あれ、？」
そうだよな。嬉しいんだよな。
だって、大好きな人だから。
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春 - ル○ク先輩…この作品にボーテ100点！ (2021年8月24日 16時) (
レス) id: c5f939efea (このIDを非表示/違反報告)
ウルフグリーン(プロフ) - 続編おめでとうございます！(遅い) (2021年8月18日 20時) (レス) id: cfbc218aad (このIDを非表示/違反報告)
ぱずる(プロフ) - 凄く面白くてこれからの展開が今からが楽しみです!!無理せず連載頑張ってください。応援しております。 (2021年8月13日 23時) (レス) id: baac44fdeb (このIDを非表示/違反報告)
ウォルフ(プロフ) - ル○ク……ルー◯………もしや！？ (2021年8月6日 12時) (レス) id: 93e8dce9dd (このIDを非表示/違反報告)
すのう.° - 作者さん神様やん。すき。結婚すr((((((( (2021年8月4日 23時) (レス) id: b05517255d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パウダー(学生さん) | 作成日時：2021年7月24日 23時
