第001話【新しい仲間】 ページ2
目を覚ますと視界には青い空が見えた。
あ、そっか。任務が終わって疲れて寝たんだ。なんて思いながら重たい体を起こす。
なんだか昔の夢を見ていた気がする。
「取り敢えず帰るかなー」
体を伸ばしながら悠々と歩く。
そして、誰もいなくなった街から彼女は出て行った。
全ての家が横に真っ二つになった街を……。
電車を乗り継いで帰って来た場所は黒の教団。
みんながホームという私達の家だ。
「帰りましたよー」
裏口から入り、だだっ広い教団内部へ入る。
誰からの返事を期待せずに自分が帰って来たことを報告していると、先程自分が来た扉から人が入って来た。
私はそちらを向くと「よー」と挨拶をするが、その仏頂面は返事をしてくれなかった。
「おつかれユウ。今回もケガだらけだね」
「ファーストネームで呼ぶなっつってんだろ」
ギロリ、と睨むユウを見てケラケラと笑ってしまった。
相変わらずファーストネーム呼びは嫌うし、仏頂面だし、ケガだらけだし。
まぁ、仕事柄仕方ない事ではあるけどね。
「これから食堂行かない？」
「一人で行ってろ」
「えー、いいじゃん。久しぶりに神田とご飯食べたいな」
神田の袖を掴み「いいでしょ？」と駄々をこねてみると大きな舌打ちをすると、何も言わずに食堂方面へと視線を向けた。
素直じゃないなぁ、なんて口が裂けても言えないが私は神田の後ろを追った。
ふんふん、と上機嫌で食堂に向かっているといきなり…
《こいつアウトォォオオ！！！》
門番の声が響き渡った。
私と神田は正面入口へと急いで向かう。
正面入口に着くと一人の男の子がいた。
「一匹で来るとはいー度胸じゃねぇか」
「えー、でも本当にアクマなの？」
クロスのゴーレムがいるし、それにあの赤い腕……。
私が分析をしていると、隣にいる神田は物凄い殺気と共に刀を振り下ろした。
すると少年の腕が大きく変わり、神田の攻撃を防ぐ。
やっぱりあの腕は…
「お前…その腕はなんだ？」
「……対アクマ武器ですよ。僕はエクソシストです」
そうなるよね。
「門番！！！」
神田は門番に向かって怒鳴る。
全く、怒鳴る事しか頭にないんだから…
やれやれと呆れながら私も彼らの元へ向かう。
「いあっ、でもよ、中身がわかんねェんじゃ、しょうがねェじゃん！ アクマだったらどーすんの！？」
と、門番は涙と鼻水を垂らしビクビクと怯えながら言った。
……可哀想に
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作者名：メイリュー | 作成日時：2023年7月25日 1時
