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イヤーカフはプロデューサー達にも好評だった。
Aは美人で、それ故にどこか特徴がない。儚いっていう方が俺は合ってると思うんだけど、とにかくそんな流れでイヤーカフは特徴付けにいいと採用になった。
俺の選んだアクセサリーをつけたAが、Aとしてアイドルをやる。
Aのことだからこのエピソードもいつか話すのだろう。その日が何故か楽しみだった。
「ユンギヒョン、見てくださいジョングギとおそろいなんです！」
宿舎に着くなり最初に出くわしたユンギヒョンに嬉々として指輪とイヤーカフを見せに行くA。ユンギヒョンは少し驚いて、俺を見てニヤニヤ笑った。
「センスいいな」
「僕の服装ならシンプルなのが似合うって、グギが」
「へぇ？」
ヒョンの顔はAより幼い造りに見えるのに、やはりそこは年上で、後輩を面白がるニヒルな笑みが浮かんでいる。
何が面白いんだか問い質したくなったがやめた。
「僕友達と出かけるなんて全然しないから、本当嬉しかった」買い物途中に飲み物を買うのすら目を輝かせていた男である。
「俺も、あんまりしないから新鮮だった」
「そうなの？ 確かにお休みの日はゲームしてるよね。じゃあこれからはたくさん出かけようね！」
「……うん」
「グガといる時間、本当幸せだよ」
何でそういうこと、言うかな。
「おいおい、そういうのは他所でやってくれ」呆れ顔でユンギヒョンが言った。
「ユンギヒョンとの時間も大好きです。またスピーカー……音響機器？ の話聞かせてください、あと小説の感想と」
「……はいはい、また来い」
満更でも無さそうなユンギヒョンは身を翻して戻って行った。
そもそも音楽知識に乏しいAにはユンギヒョンは神のような存在らしい。創作者であることもまた、Aが尊敬する理由の一つ。
「お前、誰にでも好きとか言うよな」
あ、言わなきゃよかった。尊敬してるから、それを表す一つの言葉として言っていることくらいわかってんのに。
咎めてるみたいだ。
Aはきょとんとして、微笑む。
「溢れて止まらないんだ。みんなのことが大好き。好きで好きでたまらない。かっこよくて、才能に溢れてて、素敵で。言える時に言わなきゃって、たくさん言いたくなる」
好き。子供っぽい言葉。単純で、衒いの無い。
けれどもそれを使う本人は単純とは言い難い思いで使っている。
……いや、いっそ単純だ。
単純だからこそ、好きだと、一単語に収めてしまえるんだ。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
触 - 性被害後の処理の方向が驚きでした。完結までもっていってくださりありがとうございます。お疲れ様でした。 (2021年8月5日 3時) (
レス) id: 95434f44d3 (このIDを非表示/違反報告)
ぼく(プロフ) - 虞犯少年さん» リクエストさせて頂けて光栄です、新しい作品の方も毎日毎分まだかまだかと更新楽しみにしております(笑) (2019年1月3日 16時) (レス) id: a099ebec59 (このIDを非表示/違反報告)
虞犯少年(プロフ) - 猫わかめさん» そんな素敵な言葉をいただける作品を書けたことを嬉しく思います。読んで下さりありがとうございました。 (2019年1月3日 14時) (レス) id: 3f60c9b07f (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 感動しました。次へ、次へと、手が止まりませんでした。素敵な小説をありがとう。そして、完結お疲れ様でした (2018年12月31日 17時) (レス) id: abf16c0298 (このIDを非表示/違反報告)
虞犯少年(プロフ) - ぼくさん» ありがとうございます。まさにそう思われる作品を目指していたので、本当に嬉しいお言葉です。いいですね、短編でやってみたいです。 (2018年12月29日 14時) (レス) id: 3f60c9b07f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虞犯少年 | 作成日時：2017年10月7日 22時
