3話 ページ4
sideA
パタパタと歩き慣れたローファーで歩く。
まさか集中しすぎて夜になっていたとは…！
門限はないものの怒られそうです…
A『はぁ……はぁ…』
ひょいっと掴まれ宙ぶらりんな足。
浅霧｢つ〜かまえた♡｣
？？
白華｢貴女は特別に白寮に入り特待生で特進クラスに入っているのは世間が認知してるのですよ！｣
白華さま。怒ってます…
白華｢こんな遅くまで1人にさせた私共にも非はありますが！｣
浅霧｢え？オレらも？｣
白華｢貴女は女子生徒！しかも世の中が喉から手が出る程までに欲しがる音楽家です！少しはー｣
長くなりそうです…
お説教は苦手です。
でも白華さまは決して誤った正義や理想論を押し付けないので楽です。
浅霧｢神咲ちゃん、半分聞いてないでしょ？｣
バレました。
三毛門｢あれ。帰ってきたの？｣
あ。紫音。
A『お騒がせしました…』
深く一礼をし、
三毛門｢良かった。さ、行こ。｣
紫音と共に歩く。
A『そう言えば紫音の同室の方と了解を得て居ませんでした…』
三毛門｢大丈夫。｣
？
A『今度の仕事の打ち合わせ、白をベースに考えてます。』
三毛門｢そっか。あ、新色のマニュキュア。服によるけど…試さない？｣
紫音はとてもオシャレです。
針宮｢じょ！｣
あ、紫音の同室の…
A『…！挨拶が遅れて申し訳ございません。私、』
挨拶しようと立ち上がると
針宮｢存じ上げてますので!!｣
止められました。
三毛門｢針宮藤次。もしかしたらパーティとかで会ってるかもね。彼、照れ屋だから。｣
なるほど…
一定の距離を保ちながら
針宮｢…神咲先輩はどうして男子寮に…？｣
A『特進クラスの仲良しの紫音が白寮だからです。あと、女性の声は高く壁をすり抜けてきて仕事に支障が出るので。』
何度言ってもお喋りするわ
文句言うわ…
A『邪魔だから私が出てきました。』
三毛門｢わかる。｣
針宮｢え、ペアとか同室の方はー…｣
そんなの。
心を落ち着かせて静かに。
A『居ません、私はソロです。これでもプロとして恥じぬ成績は取れていると思います。』
紫音と別れ、無駄に高いセキュリティ一の扉を開ける。
自室に帰れば、硝子のピアノと兄から貰った楽譜。
A『…私のペアは兄様だけでいい…』
三毛門｢藤次、あまりAをいじめないで。｣
針宮｢？？｣
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作者名：ペテン師 | 作成日時：2019年3月11日 1時
