FANTASY 4 ページ29
「きんときくん!めっっっちゃかっこよかったよー!」
「ベース、あんなに上手だったんだね!」
文化祭一日目終了となり一応クラスでSHRがあれば見事有志の感想を持った人間たちに囲まれた。なんか久々な気がする。
ありがとう、とかはは、くらいしか俺は返せないのに男女問わずどんどん集まってくるもんだから振りほどきようがなかった。
向こうでAちゃんと嶋野さんが帰り支度をしているのが見える。髪は解いてひとつに縛ったらしい。
せっかく似合っていたのになー、と思っていたらこっちを向いた彼女と目が合った。
一瞬だけ気まずそうな顔をして、でも手を振ってばいばい、と口をパクパクさせすぐ目をそらす。
きっとお化け屋敷でのことを気にしての行動なのだろうがきっともうそろそろ俺の心臓はもたない。
認めざるを得ない気持ちを自覚した時、廊下から聞きなれた声と人影が見えた。
nk「Aちゃーん!文化祭お疲れ様!ごめんね、シフト聞いてたのにこれなくて。」
『全然大丈夫!明日も入ってるし、うちの出し物まだ来てないならぜひ来てね。それよりバンド!すっっごいかっこよかったよ!!』
nk「えー嬉しい!ありがとう。」
いやでもそちらに聞き耳を、目線を、としてしまう。なんかよくある少女漫画のような展開になってしまった。実際起こるとかなりきついものだ。
周りを取り囲む人達はようやく減ってきたからもうそろそろ向こうに行けるはずだ。しかし2人が話しているのを見ると複雑...な気がする。
nk「あ、ねえねえ連絡先交換しない?いつか言ってたケーキ!食べたいじゃん?」
『いいよ。ちょっと待ってね。』
kn「まっっって!...なになにその約束、俺も行きたい。」
ギリギリ話に加わる形になってなんか情けない。
らしくない行動も発言もしてしまったし。
横には目を丸くするAちゃんもいた。またびっくりさせてしまったかな。
nk「え、ケーキだよ?きんとき甘いの好きだっけ。」
kn「いや、えーと、たまにはいいじゃん?嫌いでもないしさ。」
『わ、あ、そうだね、3人で行こうか。とりあえず連絡先交換しよ。』
まだ気まずいのか焦り焦りしている。
その向こうにいるなかむからはキッと睨みたい気持ちとお前は甘いもの食べるのに連れて行けるのかという嬉しい気持ちが多分混じった視線が送られてきた。
この場では言ったもん勝ちではあるが長い目で見た時、それよりなかむには勝ち目を見いだせない。そう思った。
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みるく(プロフ) - どくみんさん» コメントありがとうございます。長らく更新が疎かになっていて本当にすみません🙇♀️💦誤字も教えて頂きありがとうございます。これからもっと面白い展開に広げていけるように頑張ります✊🔅✨ (1月30日 18時) (レス) id: 08dfb534a2 (このIDを非表示/違反報告)
どくみん(プロフ) - 更新、心待ちにしてました!きゅんきゅんします。実は「得意」が「特異」と誤字しているところがありましたので、ご確認の程よろしくお願いいたします。 (1月30日 16時) (レス) @page22 id: 580971048a (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - あるふぁさん» コメントありがとうございます。好きと言っていただけて本当に嬉しいです( ; ; )年末年始に多めに更新できるようにしますのでもう少しお待ちください🙇♀️ (12月9日 21時) (レス) id: 08dfb534a2 (このIDを非表示/違反報告)
あるふぁ - このお話、好…(*´ω`*) 更新待ってます!! (12月7日 19時) (レス) id: 90dd1e6695 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるく | 作成日時:2023年8月29日 16時