呪文を使うオリマーの話。 (ページ7)

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新たな力5 バギマページ7

段差の右にある高台に上る。
そして、かなり前に王冠があったところに立つ。
ここなら、フタクチドックリの岩もギリギリ届かない。

――――近くにいるアオケタダラと一緒に、この呪文で一掃だ！

右手を上げる。
フタクチドックリの周りで、空気が渦巻き始めた。
そのスピードはだんだん速くなり、渦の中心は真空になる。
やがてそれは――――鎌鼬(かまいたち)と化す。

私は叫んだ。

「バギマ！」

渦巻く空気は坂を駆け下り、右に曲がってアオケダタラを襲った。
ちなみにフタクチドックリは、既に真空の刃で体の全てを削られている。
私の周りだけ、血と脳髄の雨が降った。
もちろん、これらは全てフタクチドックリだったものである。

アオケダタラはというと、体が真空の渦によって『内部から』弾けた。
真空中だと、どんな物質もこうなる。
空気で物体を押す力がなくなり、それとつり合うようにかかっていた内側からの力だけが残るためだ。

真空の渦で１グループを攻撃するバギ系の中級呪文――――これが、バギマである。
真空の中に敵を入れることができたら、問答無用でそれは破裂する。
表面に鱗などがあっても、内側からの力には弱いだろう。

よって、バギ系が１番強いことになった。
――――敵を囲むように渦を作るのは、大変だが。

チャッピーくらいの大きさまでなら使えそうだ。

話を戻して……。

私は、周りを歩き回った。
まだ生きている敵を見つける為に。