episode6 ページ8
A「テリーさんは、どうしてここに…?」
テリー「俺の底知れぬ力を知るために、魔物討伐をしていたら知らぬ間に……と言ったところだ」
A「なるほど……要するにレベル上げですね」
Aはサラッと略すと、テリーは「まぁな」と言うように頷いた。
馬車に乗りながら、それぞれの成り行きを聞いていたのだった。
まず、テリーが来るということすら謎なのだが。
アクト「不思議なこともあるものだな」
メーア「本当ね。Aはどこから来たのかしら?」
A「私は……スレイドルという島から来ました」
ディルク「スレイドル……聞いたことないのう……」
それもそのはず、スレイドルという島はAの脳内の島だから。
この世界にあるはずないのだから、聞いたことがないというディルクにも納得できた。
テリー「スレイドル? そんな島聞いたことないぞ」
メーア「私もよ。世界は広いってことね!」
A「え、えぇ……。そうですね」
嘘、ということは言えず、Aは曖昧に頷いてみせた。
でも、Aにも心残りはあった。
(どうして私の
生きるか死ぬかの確率で、入ったエルサーゼ含むこの世界。
義理の叔父に当たるヘルムードは闇の一族。Aも闇の魔術は使えるし、薄いと思われるが闇の一族の血は引いているはずだ。
けれども、メーア達と同じように魔物に牙を剥けられる。もしかしたら、闇の一族の血なんて引いてないのかもしれない……と最近は思い始めていた。
でも、それが事実なら、亡き叔父はあんな遺言を残すはずがないのだ。
複雑な心境のせいか、難しい顔になっていたのかメーアがじーっと顔を覗き込んでいた。
A「な、なんでしょう……?」
メーア「すーっごくムッとした顔してたから。なにかあったの?」
メーアにそう言われても、本音をいう訳にはいかない。Aは、「そんなことないですよ」と返した。
メーア「そういやAって敬語よね。そんなに固くなくていいわ!」
アクト「ああ。俺たちは、仲間だろ?」
仲間。
Aは、その言葉を噛み締めた。
(仲間だなんて……いずれ、メーアさん達と戦うことになってしまうのに……)
そう思うが、『仲間』という存在は今までAの周りにいなかった。
すごくすごく、嬉しいのに、隠さなければいけない真実に後ろめたい気持ちになった。
でも……
A「うん!」
メーアの言葉に強く頷いた。
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作者名:Dream★World | 作成日時:2018年11月25日 9時