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アリアとゴードンはマックス・Jの名義の口座で現金を降ろし、目に留まった宝石店に次々と入っていく。今ので7店舗目だ。奴等が車に乗り込んだ後、俺はシートベルトをして、また奴等の行き先を追っていた。空のトーンも大分落ち、空にはオレンジのベールが被せられる。
「一体いつまで買い物するんだ?」
「気になるわね」
キャロルの携帯がなり、ポケットから取り出して耳に当てる。
「はい。どうしたの?」
「奴等を見失った」
「…………どういうこと?」
ジェームズの焦る声が耳に入る。キャロルは怪訝そうに受話器の向こうの奴等に問う。
「今、パーキングにいるんだ。ペットショップに行ったら、犯罪者がウヨウヨいて、1台のボックスカーに乗り込んだんだ。追跡してたら、それがバレちまって……。無人のパーキングに連れてかれてモメたんだ。
車のフロントガラスもドアも負傷してる。あと……ビアンカが少し」
キャロルは、その言葉を聞いて目を丸くした。口を大きく開けて、
「ビアンカが!? 大丈夫なの」
「二の腕かすったみたい。大丈夫だって言ってるけど、病院連れてった方が良い?」
「馬鹿、仕事中だぞ」
俺はビアンカの正論にくすりと笑って、「元気そうだな」と言った。キャロルは、ロバートが笑ってるわ、と俺に連れて笑みを浮かべる。キャロルは表情を変えずに暖かみのある声で、
「貴方は大丈夫なの。ジェームズ」
「俺は大丈夫だ。ありがとう。ロバートに変わってくれるか」
キャロルから携帯を受け取り、耳と肩の間に挟む。ちょうどアディを出る道の赤信号に捕まった所だった。2台のオレンジと白の軽を間に入れる。オレンジの車は直進車で、白が左に曲がっていくそうだ。
「ロバート。多分だが、ロッヂの方に奴等は行ったと思う」
「ロッヂか……。一度仕事で行った場所じゃないか」
ニュージャーシーとニューヨークの間にある街だ。ひとつ上にあるスプリングフィールドは近代化が進んでしまったため、ロッヂは取り残されてしまったように思える。錆れた街……。
「子供が泣いてるとか話してた。何か手掛かりが掴めるかもしれない。早く行ってくれ」
「いや」
俺は否定し、
「お前達を先に迎えに行くよ」
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あに(プロフ) - いえいえ。こちらこそ、お忙しいところ申し訳ありません。 (2015年11月1日 10時) (レス) id: b6e044a433 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - あにさん» ありがとうございます。私もコイツらのこと好きです(°▽°)/あに先生の小説の評価、遅くなって申し訳ありません。これから暫く暇になると思うので一気読みしますb (2015年11月1日 8時) (レス) id: 6298628eb9 (このIDを非表示/違反報告)
あに(プロフ) - キャラクターの台詞がとても好きです。そして、映画を見ているような感覚です。文を読むとその場の様子が浮かんできて、感動しました!このサイトではめったにこういう作品と出合うことがめったにないので……。 (2015年11月1日 0時) (レス) id: b6e044a433 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - 阿吽さん» コメントありがとうございます(*´∇`*) 今振り替えると、文の羅列ばかりで配列に工夫がないような……。でも今のバランスなければ凄いという言葉は出ないはず。難しい所ですね。 読んでくださってありがとうございました! (2014年11月5日 23時) (レス) id: 5c4ab849ae (このIDを非表示/違反報告)
阿吽(プロフ) - 凄い…!!あ、イベントに参加登録してくれてありがとうございます!!!! (2014年11月5日 23時) (レス) id: e6f590558d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイチェル・ハジェンズ | 作者ホームページ:https://twitter.com/seshiru777777
作成日時:2014年8月7日 15時