王 女

秘 密 ６ ページ44

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『 ごめんっ、ごめんなっ 』


壱馬の背中を撫でて泣き止ますAを見て俺は昔のことを思い出す

...Aはもう俺の事吹っ切れたんだな


優奈「 ...さっ、早く私の恥ずかしいところを暴かしてもらってもいいですか？吉野さん 」


田中さんは俺を見て、ニコッと微笑み
近くの椅子に座って足を組んで俺をまた見た


北人「 まず、田中さんが思ってる俺らのことを話してくれる？
てか、お姉ちゃんから聞いた話かな？ 」

優奈「 いいですよ 」


座ってたのにまた立ち上がって

メンバーひとりひとりの顔を見たあと
ポツポツと俺らのことを話してきた


優奈「 まず、お姉ちゃんから聞いたのは
吉野さんとAが元カレカノだってこと

あとは〜、別れた理由が樹くんってことだけ 」

北人「 ふ〜ん、
ひとつ合ってて、ひとつは間違ってるね 」

優奈「 なんですか？ 」

北人「 俺とAが元カレカノってことは事実だよ 」

優奈「 ほら 」

北人「 でも、樹のせいで別れてない 」


これは事実なこと

Aの方を見ると少しバツの悪そうな顔をしていた
...俺の選択は間違ってたのか合っていたのか

多分後者だろう


樹「 なんで、...俺のせいなんすか？ 」

優奈「 樹くんは、飲みに行った時Aにキスしたでしょ？
それが、スクープに撮られて流される予定だったの 」

樹「 はっ？
なんでそれ、...言ってくれたらよかったじゃん 」

『 言ったって何の解決にもならなかった 』


確かにそうだ

樹に言ったところで
Aと樹の関係がゴチャッってなるだけだし

その時付き合ってた俺たちだって尚更ゴチャッってなってただろう


優奈「 ...報道が出るから別れたんでしょ？ 」

北人「 残念だね、全然違う 」

優奈「 ...じゃあ正解は？ 」

北人「 確かに、樹とAのスクープは撮られた
けど、俺とAがスクープの会社に行って頭を下げて流さないようにしてもらった

...俺とAは付き合ってるって公表をするためにね 」

壱馬「 ... 」

北人「 だけど、俺は気づいてたんだ 」

『 ...？ 』

北人「 ...Aは幼馴染の壱馬が好きだってこと 」


そう言うとAは

首を横に振り、違う。と言った


『 いまは、壱馬のことが好き。だいすき。

だけどあの時はっ、...北人しか見えなかったのにっ
まさかその勘違いで 』

北人「 あとひとつ 」

『 えっ 』

北人「 ...俺はAたちよりもっと最低なことをした 」


A、ごめん。









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