ドＳなあらしとドＭな私、７

１８８。勝者 ページ8

「鮫島さん、隣座っていい？」

「ええ、良い…」

「俺、隣良い？」

「えっ？」

「俺こそ、隣良い？」

後ろのに座っている輝依の困っているような声が聞こえた。

「…輝依の隣は、俺のだ。」

「「え？！」」

多分、バスの中にいる生徒全員がそんな声をあげたと思う。

だって、ボソッと誰かが言った言葉は、すごく良く聞こえたんだもの。

輝依のことを、名前で…しかも、呼び捨てで呼ぶ人って…？

すると、ドスンと斜め後ろから音がした。

多分、その音をたてた人が、輝依の隣に座ったんだと思う。

「「・・・。」」

物音一つしないバスの中。

──ポスン

突如可愛らしい音が聞こえたので、隣を見たら…

「あ、ニノ…！」

漁夫の利…かな。

ニノが、みんなが輝依の隣の席事件に呆気に取られて、イス取りゲームを一時中断したからそれを良いことに、堂々と私の隣に座っていた。

「俺の勝ちですね。」

そしてニノはどや顔でそう言い放つと、不敵に笑った。

「キャァアッ！」

女子のうっとりとした声が響いたのは、このすぐ後のこと。

……

バスが発車してから、私は輝依の隣の席の人が気になって、ちらっと後ろを見た。

もちろん、シートベルトはしたままで。

輝依の隣の席に座っていたのは、若干髪の毛を金色に染めて、ピアスを右耳に２つしている、いかにもヤクザーな感じの人。←

…誰？！

「A、鮫島さんの隣の席の人、知らないんですか？」

私はコクリと頷いた。

「確かに、Aは同じクラスになったことはないですけど、今は俺と同じクラスです。…結構学校内では有名ですよ、彼。」

…誰？！？！

「彼の名は、中山 竜音(なかやま りゅうと)、別名ムッツリュウトくんです。」

…誰？！？！？！


ってか、ムッツリと竜音っていう名前、絶対かけてるよね？！

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ラッキー嵐

リーダー・ニノ

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