D O O R 『 D 』____0(ゼロ) (ページ8)

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中務くんは

ダンスをしている時が一番カッコイイ。

思いやりがあるし、正義感も強い。

そんな彼が大好き。

アンナから毎日聞かされる台詞だ。

中務がいないところでは

自慢話ばかりするくせに、

本人がいると縮こまってしまう。

それがアンナのかわいいところでもある。

ふたりが付き合うことになれば最高なのだが、

この調子だとかなり先になりそうだ……。

テーブルに置いてあるおしぼりで手を拭いていると

向かいに座っている片寄涼太がメニューを差し出してくれた。

涼｢何飲む？｣

私は適当にメニューを見て、

貴｢ちょっと風邪っぽいから、ウーロン茶にする｣

と答える。

涼太は、

涼｢ OK ｣

と返し、店員に注文してくれた。

貴｢ありがとう｣

お礼を言うと涼太は笑みを浮かべて軽く手を上げる。

涼｢それより、風邪大丈夫？確かにちょっと顔色悪いけど｣

貴｢ほんの少しだるいけど、全然平気｣

涼｢そう。ならよかった。でもあまり無理するなよ。ダンスの練習はひかえたほうがいいよ｣

貴｢うん。ありがと｣

そこで会話が途切れると、

涼｢俺、トイレいってくるわ｣

と涼太は立ち上がった。