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_片寄涼太
一方、Aの後ろを見つめていた涼太は、
不甲斐ない自分に情けなさを感じていた。
せっかく二人きりになれたのに、
どうして肝心なセリフが出てこなかったのか。
好きだという気持ちは溢れているのに。
たかだか、今月の24日か25日のどちらか
空いていないか聞くだけじゃないか。
それがどうして出来ないんだ……
Aは改札を抜けて、
ホームへ行ってしまう。
彼女の姿が視界から消え去り、
涼太は深いため息をついた。
涼 「 何やってんだ、俺 」
昔からそうだ。
男のくせに、
好きな人を目の前にすると緊張してしまう。
視線に接することばかり考えているうちに、
他のことに頭が回らなくなり、
パニックに陥り逃げ出してしまう。
居酒屋のあの時だって、
トイレに行きたかった訳では無い。
気持ちを落ち着かせるために逃げ込んだのだ。
彼女はまだ近くにいる。
もう一度追いかけろ。
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作者名:朱花 | 作成日時:2017年8月26日 17時