大恋愛 ―9つの絆―

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「失礼します…」


大ちゃんは先生の前の椅子に座り、俺はその後ろに立った


「まず画像をご覧ください」


先生の前にある医療ドラマでしか見たことのなかった大ちゃんのであろう脳画像がはられている


「見た目では分かりづらいですが、有岡さんの脳は萎縮しています」


「いしゅく…」


「分かりやすく申しますと、MIC。認知症の前段階、軽度認知障害です」


は…?

MCI…?
軽度認知障害…?
大ちゃんが認知症…?


「幸い、受診が早かったので症状はかなり初期の方で」


「おれっ、全部忘れちゃうんですかっ…?」


混乱しているのか、先生の説明に食い気味に質問した大ちゃん


「いえ、それはまだまだ先の話です。中には認知症にならず、軽度認知障害で留まる人もいますので」


「っ…」


「大ちゃん…」


「これからの治療方針を決めていきましょう」


「、はい」


俺も、先生の話はかろうじて頭に残る程度
理解するのは難しかった

大ちゃんは放心状態で、俺らの声も聞こえていないようだった


「会計の際に資料も渡しますね。これから頑張っていきましょう」

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