大恋愛 ―9つの絆―

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今度の音楽番組、最新曲ではなく過去の曲を披露することに

何になるかはまだ聞かされていない

高木あたりが覚えてる曲がいいなぁなんて呟いていた


「みんなー、披露曲 発表するよ」


マネージャーさんの一言でバラバラに過ごしていたメンバーが集まる


「今回はキミアトラクションでお願いします」


キミアト、か…

踊りは少なく見えるけど、歌割りのないメンバーは意外と踊っている曲

少し前の曲だからか、細かいところが思い出せない


「キミアトって意外と複雑だよね笑 俺、踊れるかなぁ」


「何言ってんの笑 キミアトだよ?笑」


「よし、位置付いてー」


ヤバい、どうしよう
俺の立ち位置どこだっけ…

みんなが着々と立ち位置に移動する中、一人突っ立っている俺


「大ちゃん…?ほんとに分かんないの?」


「いのちゃんっ…」


「っ、ちょっみんなごめん!俺、ほんとに思い出せないとこあるから動画見てもいい?」


マジかよーとか言いながらみんなは笑ってくる

いのちゃんは、泣きそうなのをみんなにバレないように下を向いていた俺の手を引いて荷物置き場まで来た


「いのちゃん…ありがと」


「ううん、大丈夫。珍しいね、大ちゃんが思い出せないの」


「うん…」


二人で動画を見て、なんとか立ち位置は確認した。踊りはぼんやりだけれど、思い出すことができた





その後、なんとかダンスレッスンは終了
結局、思い出せない曲はキミアトだけだった


「大ちゃん。今日、家行っていい?」


「…うん」


みんながそれぞれ帰り支度を進める中、いのちゃんに耳元で言われた

なんとなく、話したいことは分かったから迷うことはなかった

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