大恋愛 ―9つの絆―

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「大ちゃん、薬持った？」


「うん、持った」


「今日の仕事は？」


「えっと…ひかと薮ちゃんとロケの後に雑誌の取材が2個」


「うん、合ってる。じゃあ、先出るね。マネージャーさん来てくれるから」


「毎日ありがとう。いってらっしゃい、……！」


日課となった朝の恒例行事。それとまたのキス

始めた理由は単純に俺が頑張れるから
これをした日は褒められることが多い気がする


「もう、遅刻するよ！いってらっしゃい！」


「はーい、行ってきます」


あの日から半年。俺らは完全に同棲を始めた
場所は大ちゃん家

半年の間にスケジュールを管理してくれるマネージャーさんには伝えたが、メンバーには話せていなかった

あの日以来、振りや歌詞が飛んだことはないからなんとかなってはいる
一緒に住むことで仕事自体を忘れてもすっぽかすこともなかった


病院の先生にも進行は遅い方だと言われ、少し喜んだ日もある

でも、それで油断していた

"進行が遅い"だけ。病気は着実に大ちゃんの脳を蝕んでいた

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