３年目の

自動販売機とバレー部 ページ7

ある昼休み。自動販売機に飲み物を買いに行くと、その横でバレーのラリーをしている菅原と１年生くんを発見した。邪魔をするのは悪いと思ったが、丁度休憩をし始めたので余分に買った２つの缶を持って駆け寄る。



「 お疲れ〜。はい、差し入れ。」
「 お、サンキュー。」
「 いえいえ。君も、どーぞ！」
「 あ、ありがとうございます！」



オドオドしながら受け取る１年生くん。この子が昨日言ってた子なのかな。



「 珍しいな、Aが自販機来るの。」
「 誰かさんが私の水筒の中身床にぶちまけちゃったからね〜。」
「 あはは。その説はごめん。」
「 まあ、蓋をしっかり閉めてなかった私も悪いから、お互い様ってことで。」



お弁当と水筒持参派の私が珍しく自販機を頼りにしているのは、あるアクシデントにより水筒の中身が半分になってしまったからだ。
AくんとBくんが走ってBくんがCちゃんにぶつかって、CちゃんはDくんにぶつかって、Dくんは菅原にぶつかって、菅原は私の水筒にぶつかった。



「 え、あ、あの、お２人ってその〜……いや！やっぱり何もないっす！」
「 そこまで言ったら気になるだろ。 」



右に同じく。気になるけど、必死に何も無いですって繰り返すから聞けなかった。おもしろいなあ、この子。



「 じゃあ、私教室戻るね。２人とも頑張って。 」



手を振って、校内に入る。背後からは連続したバレーボールの弾け飛ぶ音が聞こえた。

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