３年目の

尊敬する人の話 ページ5

あの後、生徒会長に言われた通りAをまとめ役として会議を行った。なかなかに長引いてしまい、外はもう真っ暗。玄関に行くと他の用事を済ませた由実が丁度帰ろうとしていたので、一緒に帰ろうと声を掛けた。



「 会議、ありがとう。」
「 大丈夫よ。ただ由実って凄いなって改めて思った。」
「 褒めても何も出ないよ？」
「 まあ、見返りは求めない主義なんで。」



生徒会長に抱くイメージって大体the真面目だけど、この子の第一印象はチャラそうだった。実際は、芯が通ってて自分持って本当にてかっこいい子。成りたくてもこの子には一生かかってもなれないだろうなって。



「 ねえ、声掛けないの？ 」
「 ん？」



彼女の指さす方を見れば、部活終わりであろう菅原と澤村くんが歩いているのが見えた。



「 ついでに送ってもらっちゃえ！」



「 なんでそうなるの。 」って言う前に、２人に声を掛けた由実。さすが、行動を起こすのが早い。……って感心してる場合じゃなかった。



「 ２人とも今帰りなの？」
「 うん。会議長引いちゃって。」



で、ここからどうしようかと思い由実の方を見ると、澤村くんと仲良さげに話していた。「 邪魔できないね。」なんて言葉を交わす。



「 あ、そうだ。
……大地、笠井！俺A送ってくから、先行くわ。」
「 分かった。じゃあ、また明日な。」



２人の了承を得て、本当に菅原に送ってもらうことになった。歩き始めた彼らの後ろ姿を背に「 菅原くんって意外と大胆なんだね。」という会話が繰り広げられていたとか。

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