３年目の

部活動リレー【 修正済 】 ページ23

「 部活動リレーに参加する生徒は召集場所に集まってください。」



部活動リレーは体育祭のお楽しみ企画。普通のリレーではなく、部活のアピールをしながらゴールを目指すというもの。招集は生徒会の仕事なので、人数を確認している。



「 バレー部、全員居ますか。」
「 もちろんだ。」
「 相変わらず忙しそうだな。」



澤村くんの後ろから顔を覗かせる菅原。



「 うん。後でジュース奢ってくれたら頑張れるー。」
「 はいはい。買ってあげるから、仕事しろ。」
「 え、本当に！？やったー！」



思いがけない御褒美にうきうきしながら通り過ぎようとすると、田中くんと目が合った。



「 やっぱスガさんの……いでっ！」
「 菅原の？ 」
「 何もない。気にすんな。」
「 うん、分かった。」



いつも通りのことを言われるんだろうなあって思ってたから、澤村くんの気遣いに感謝して素直に返事をして仕事に戻った。

競技中は基本的に仕事がないため生徒に紛れて部活動リレーの様子を見守る。バレー部はパスをしながら一周するらしい。

他の部活も魅力的ではあるけれど、何故かバレー部から目が逸らせなくて。いつもと同じ爽やかな笑顔で、いつもより真剣な表情で、ボールを上げる姿をずっと見ていたかった。



好きだなあ。


そう思わず口にしてしまうくらいに。



「 誰が好きだって？」
「 ……何もないです。空耳だよ。」
「 トランシーバー切れてないし、言い訳するならもっとマシなの考えなよ。っていうか、私あんたのまっすぐ前に居るんだけど。」



目線を本部の方へ移すと、本当に私の立っているところから真正面にいた由実と、目が合った気がした。……圧がすごい。

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